写真1●電池パック破裂など13件の事故が発生した「W42K」(京セラ製)
写真1●電池パック破裂など13件の事故が発生した「W42K」(京セラ製)
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写真2●会見に出席した京セラの山本康行執行役員(左)とKDDIの井上正廣執行役員常務(右)
写真2●会見に出席した京セラの山本康行執行役員(左)とKDDIの井上正廣執行役員常務(右)
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 KDDIは2008年3月28日,au携帯電話「W42K」(京セラ製,写真1)の電池パックの一部に不具合があることが判明したため,電池パックの交換を開始すると発表した。同日,KDDIと京セラが記者会見を開催。KDDIの井上正廣執行役員常務は,不具合が発生したことに対して「深くお詫びを申し上げる」と謝罪した(写真2)。

 電池パックの外部にキズやヘコミがつく程度の力が加わった場合に,電池パック内部にショートが起き,充電中や利用中に電池パックが発煙したり破裂する可能性があるという。実際に2007年10月から2008年3月にかけて,電池パックの破裂など13件の事故が発生。例えば2008年1月に青森県で発生した事故では,充電中に電池パックが破裂し,ユーザーは左肩に全治1週間のやけどを負ったという。

 W42Kは2006年6月の発売。3月26日現在の稼働台数は21万4349台で,交換対象となる電池パックを搭載するのはそのうちの約18万台に当たる。対象となる電池パックの製造番号は,「KY-YEA」「KY-YFA」「KY-YGA」「KY-YHA」「KY-YIA」「KY-YJA」「KY-YKA」「KY-XDA」「KY-XEA」「KY-XFA」「KY-XGA」「KY-XIA」「KY-XLA」「KY-WAA」の14種類。なおW42Kは在庫として約600台が残っていたが,既に販売を停止したという。

電池パックは2007年のトラブルと同じNECトーキン製

 今回,不具合が発生した電池パックはNECトーキン製。2007年6月にはNECトーキン製の電池パックを採用したau携帯電話「A101K」でも不具合が発生している(関連記事)。KDDIは今後,NECトーキンに対して補償を求めていくという。

 会見では,2007年10月に最初の事故が発生してから今回の不具合発表まで,半年近い時間がかかったことに対して説明を求める声が上がった。KDDIの井上執行役員常務は「再現性があると認識したのが2008年1月で,そこから本格的な調査を開始した。対応の遅さは反省しないといけない」と語った。

 多くのユーザーの購入が見込める3月商戦に影響を与えないため,発表の時期を遅らせたのではという質問に対しては「断じてそんなことはない。最終的に不具合があると判断したのが3月14日。交換に必要な電池パックをそろえてから発表しようと考えたため,この時期になってしまった」(同)と説明した。

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