電子情報技術産業協会(JEITA)の町田勝彦会長
電子情報技術産業協会(JEITA)の町田勝彦会長
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 電子情報技術産業協会(JEITA)の町田勝彦会長(シャープ会長)は2008年3月28日、放送業界やパソコン周辺機器メーカーなどが準備している、パソコン外付けの地上デジタルチューナーの単体販売について、「地デジの普及に向けて重要な役割を担っていくだろう」と語り、前向きに捉える姿勢を示した。同日開催された定例会見で明らかにした。

 パソコン用外付けチューナーの単体販売については、地デジ受信機器の普及促進につながるほか、このところ低迷が続くパソコン本体の市場活性化にもつながるとの見方がある。一方で、テレビ受像機やチューナーを内蔵したテレビパソコンと市場が重複する可能性を懸念する声もある。

 町田会長は、「2011年のアナログ停波まで余すところあと3年となった。JEITAとしては政府や関係機関と連携し、アナログ放送から地デジへの円滑な移行を進めていきたいと考えている」とコメント。その上で、「周辺機器として地上デジタル放送の受信機器が出てくるのは良いことと考えている。地デジを各家庭にあまねく普及させる上で、パソコン周辺機器としてのチューナーが担う役割も重要になるだろう。テレビ放送を、テレビ受像機だけでなくパソコンで視聴する方が増える中で、そうした用途に向けた周辺機器が出てくることは良いことだ」と語り、テレビ受像機やテレビパソコンとともに、パソコン用外付けチューナーも地デジ普及に向けた役割を担っていくことに期待感を示した。

 この日の会見では、JEITAの2008年度の活動方針について表明。JEITAでは地球温暖化対策を最重要課題として掲げ、欧米の電子情報産業の業界団体との会合や、JEITAなどが呼びかけ158企業・団体が参加している「グリーンIT推進協議会」を通じた活動などを進めていく。

 足元の景況感について町田会長は、変調が見られるとの懸念を示した。「電子産業の先行指標として電子部品の受注動向があるが、2008年1月に34カ月ぶりに前年割れを記録した。2月も前年割れになり、3~4月もおそらく同様だろう。サプライチェーンが短納期になっているので5月以降の動向は判断しづらいが、どうも良くないのではないか。中国やインドなどの新興国の状況は良いが、先進国の落ち込みをカバーするほどのキャパシティはない。北京五輪に向けた商戦で回復すること、サブプライム問題が早期に終息することを期待したい」と語った。

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