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「黒川さんからは1回もほめられたことはない」富士通の新社長、野副氏とは?2008年6月下旬の株主総会後に富士通の第13代社長に就任する経営執行役上席常務の野副州旦(のぞえ・くにあき)氏。会見では「従来通り顧客視点の経営を貫き、黒川社長が07年に発表した中期計画の達成を目指す」と話すなど、既存路線の継承を強調した。だが野副氏は、現社長の黒川博昭氏とは全く異なるキャラクターの持ち主だ。 実直・誠実といった言葉がすぐに思い浮かぶ黒川氏。インタビューでは一つひとつの言葉を慎重に選んで話す。一方野副氏は、今回の会見で「今まで黒川さんからほめられたことは1回もない。社長に選ばれたのは青天の霹靂(へきれき)だ」と話し、記者の笑いを誘うなど快活でユーモアあふれる性格だ。 今回の会見で会長への就任が発表された間塚道義代表取締役副社長は、野副氏の性格を「親分肌のリーダー。人の意見をしっかり聞いて本質を見抜く」と評する。記者が以前野副氏に取材した際に抱いた印象も、この“親分肌”という言葉とぴったり一致する。 経歴にも、現社長と新社長の違いははっきり現れている。「システム・エンジニアとプロジェクト・マネジャの仕事しか分からない」と話す黒川氏に対し、野副氏は「5〜6年ごとに所属が変わり、ひとつところに落ち着くことがなかった」という。海外経験も豊富で、米国駐在中は市場分析を、英国ではICL(現富士通サービス)のマネジメントにかかわった。1982年に始まったIBMとの著作権紛争にも深く関与したという。黒川氏は「海外経験は自分にはない部分。その強みをグローバル戦略に生かしてほしい」と期待を寄せる。 野副氏に求められているのは「富士通をグローバルで戦える企業にすること」だ。そのためにはまず、中期計画に掲げている「売上高に占める海外売り上げ比率を40%に高める」ことを達成する必要がある。その戦略として、野副氏はITシステムの組み合わせをテンプレート化して提供する「TRIOLE テンプレート」を軸に据えるとみられる。 野副氏はここ数年、「TRIOLE テンプレート」の充実に力を注いできた。TRIOLE テンプレートに関しては英国の富士通サービスの取り組みが先行しており、すでに実績も残している。野副氏は「富士通サービスの戦略をグローバルに広げていきたい。それにはTRIOLEの中で有効に機能するプロダクトの開発も重要になる」と語る。 海外でのM&A(合併・買収)については「マネジメントがしっかりできるのかを判断したうえでないと失敗する」と話すなど慎重な姿勢もみせる。ただ「ICLの建て直しなどでマネジメント経験はある。今の段階になってやっと、成否まで含めしっかりとM&Aを考えることができるようになった」と語り、M&Aによる拡大路線も継承する意向を示した。 最新ニュース記事一覧へ >>
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