写真●松下電器産業の高速電力線通信(PLC)モデムのセットモデル「BL-PA300KT」
写真●松下電器産業の高速電力線通信(PLC)モデムのセットモデル「BL-PA300KT」
[画像のクリックで拡大表示]

 松下電器産業は2008年3月27日,物理速度210Mビット/秒の高速電力線通信(PLC)モデム「BL-PA300」を発表した(写真)。4月18日に発売する。同社として第2世代の新チップを搭載。従来機と比べて実効速度を約10Mビット/秒向上させたほか,容積を約半分に小型化した。価格はオープンだが,実売価格は2台セットの「BL-PA300KT」が1万6000円前後,増設用の「BL-PA300」が1万円前後の見込み。

 BL-PA300は,松下電器が開発したPLC仕様「HD-PLC」仕様に準拠。2M~30MHzの短波帯のうち,利用する帯域を従来の4M~28MHzから2M~28MHzに拡大することで,物理速度を従来の190Mビット/秒から210Mビット/秒に高めた。ただ従来の4M~28MHz仕様のHD-PLCモデムと混在させた場合は,物理速度190Mビット/秒で動作する。

 実効速度は従来のUDP時80Mビット/秒,TCP時55Mビット/秒から,同90Mビット/秒,同65Mビット/秒にそれぞれ約10Mビット/秒の高速化。また信号が減衰しにくい低い周波数を利用することで,条件の悪いコンセントでの実効速度を改善したという。

消費電力1Wの省電力モードを追加

 搭載する第2世代のチップ「MN1A94100」は,実装面積を約4分の1に削減。これによりBL-PA300では,幅55×高さ90×奥行き33mmと名刺大の小型化を実現した。同時に消費電力を従来の4Wから3Wに削減。省電力機構も追加し,無通信の状態が20分続くと消費電力1Wの省電力モードに移行する。

 物理速度,省電力機構以外の仕様は従来機と同じ。暗号化方式は鍵長128ビットのAES。最大接続数は16台程度で,100BASE-TX/10BASE-Tを1ポート搭載。親機/子機の切り替えスイッチを備え,1台を親機として設定し,そのほかを子機として使用して通信する。

[発表資料]