写真●富士通ソフトウエア事業本部の堀江隆一ミドルウェア事業統括部第二ミドルウェア技術部プロジェクト課長
写真●富士通ソフトウエア事業本部の堀江隆一ミドルウェア事業統括部第二ミドルウェア技術部プロジェクト課長
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 富士通は2008年3月26日、電子ファイルへのアクセスを制御するミドルウエア「Systemwalker Desktop Rights Master V13」の製品説明会を開いた。ソフトウェア事業本部の堀江隆一ミドルウェア事業統括部第二ミドルウェア技術部プロジェクト課長は「増加する組織の内部犯罪や誤操作による情報漏洩を防ぐため、文書の暗号化や利用制限の必要性が高まっている」と話した。

 Systemwalker Desktop Rights Masterを導入した環境では、ユーザーがファイルを利用する際、ライセンス配信サーバーからファイルの暗号化を解く復号鍵を受け取る必要がある。ユーザーごとにファイル・サーバーやクライアント上にあるファイルへのアクセス権を設定し、利用可能な期限を設けることができる。

 今回のバージョンアップにより、文書を更新しても暗号化やアクセス制御の設定が続くようになった。従来のバージョンでは、暗号化ファイルの編集作業をする場合、いったん通常のファイルに復号する操作が必要で、編集後に暗号化を解除したまま保存することもできた。

 また従来は各アプリケーションごとにプラグインで認証や保護を実施していたが、今回からOS標準のインタフェースを使う方式に変更した。これにより「新しく登場したりバージョンが上がったアプリケーションに対応するスピードが大幅に向上した」(堀江プロジェクト課長)という。今回新たに、「Microsoft Word 2007」などMicrosoft Officeの最新版や「Adobe Acrobat」、メモ帳の「Microsoft Notepad」、ペイント・ソフトの「Microsoft Paint」に対応した。

 販売価格は、ライセンス配信サーバー用ミドルウエアが税抜き20万円、クライアント用が税抜き1万1000円。ライセンス配信サーバーの対応OSは、Windows Server 2003、Windows 2000 Serverなど。クライアントはWindows Vista/XPに対応する。

 Systemwalker Desktop Rights Masterのみでの販売目標は立てていないが、富士通の統合運用管理用ミドルウエア群である「Systemwalker」全体で今後2年で20万ライセンスの販売を目指す。07年9月時点でSystemwalkerの販売は累計559万ライセンスほどだという。