写真●NPO(特定非営利活動法人)ドットNET分散開発ソフトピア・センターの横山俊明理事長
写真●NPO(特定非営利活動法人)ドットNET分散開発ソフトピア・センターの横山俊明理事長
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 岐阜県にあるNPO(特定非営利活動法人)「ドットNET分散開発ソフトピア・センター」は2008年3月26日,NPO設立に関する記者会見を開催した。同NPOは,岐阜県内の中小ソフトウエア開発会社の人材育成をサポートする目的で設立された組織で,「ソフトウエア生産技術を向上させることで,中小ソフト会社を取り巻く現状を変えていきたい」(理事長の横山俊明氏)としている。

 岐阜県とマイクロソフトは2003年からITベンチャー支援で連携をしており,2007年2月にはIT人材育成に関して協定を結んでいる。今回のNPO設立もその取り組みの1つだ。NPOの活動を,岐阜県や岐阜県立の教育機関IAMAS(情報科学芸術大学院大学,岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー)やマイクロソフトが支援する。

 理事長の横山俊明氏(岐阜市の第一システム社長)は,「岐阜県内のソフトウエア会社はほとんどが中小規模で,多くのSEが大手システム・インテグレータの下請けとして働いている。そのような環境では,技術習得の機会も限られており,ソフトウエア開発の効率化が進んでいないのが実情だ。NPOを組織することで,SOAやUMLを理解するIT技術者を育成していきたい」と,設立の主旨を語る。

 同NPOではSOAやUMLに関する技術講座を,IAMASと連携して県内の技術者に提供する。また,「IT技術者の人材育成には,OJTが必須」と考え,NPO自体がユーザー企業や大手システム・インテグレータから開発案件を受注し,育成した人材が実際に開発案件を担当する場を設ける。初年度は,年間20名ほどの人材を育成する計画だ。

 名前が「ドットNET分散開発ソフトピア・センター」となっているのは,マイクロソフトや岐阜県の情報産業振興拠点であるソフトピアが支援をしているため。マイクロソフトの.NET技術に関する教育も行われるが,これに関して横山理事長は「岐阜県の中小ソフト会社が請け負っているWebアプリケーションの開発案件を見ると,.NETとJavaの割合は3対7でJavaの方が多い。しかしこれは,大手システム・インテグレータから下請けする仕事で,Javaが利用されているケースが多いから。岐阜県内の民間企業相手の開発案件では,.NETとJavaの割合は7対3と,.NETの方が多い」とコメントしている。