日本オラクルは2008年3月26日、SOA（サービス指向アーキテクチャ）の実現を支援する新施策を発表した。支援組織の設立、新製品の投入、無償セミナーの実施の3つからなる。「SOAを取り入れたいが、具体的に何をすればよいか分からないユーザー企業に解決策を提示する」と三澤 智光常務は説明する。

　支援組織の名称は「SOA Architect」。ビジネス・コンサルタントやITアーキテクトを合計10人ほど集め、この3月1日に立ち上げた。顧客のビジネス計画の立案から、SOA実現に向けたロードマップの提案などを行う。コンサルティングは無償。ただし、オラクル製品の導入を前提とする。自社人員だけでなく、競合ベンダーや開発パートナー企業出身者も引き抜き、経験豊富な人材を集めた。「前職では月に400万～700万円のコンサルタント料金を稼いでいた人材もいるほどだ」と三澤常務は自信を見せる。

　今回発表の新製品は、SOAに基づくシステムを構築するための“ひな型類”を集めた「ファウンデーション・パック」。3月26日から出荷を開始する。同製品には、事前に定義してあるデータ・モデルの「エンタープライズ・ビジネス・オブジェクト（EBO）」やサービス・モデルの「エンタープライズ・ビジネス・サービス（EBS）」、EBSを格納する「ビジネス・サービス・レポジトリ（BSR）」などからなる。それらを利用することで、システムの全体像を一から設計する手間を軽減する。価格は2000万円から。

　無償セミナーの名称は「SOA Boot Camp（ブートキャンプ）」。3月11日から「システム開発における“改革”」「企業システム全体の“改革”」などのテーマで実施している。1回3～4時間程度で定員は80人。日本オラクルのほか、べリングポイントや東洋ビジネスエンジニアリングが講師を務める。