写真●CEATEC JAPAN 2007会場でデモ展示していた,NTTドコモのSuper 3Gシステム
写真●CEATEC JAPAN 2007会場でデモ展示していた,NTTドコモのSuper 3Gシステム
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 NTTドコモは2008年3月26日,第3.9世代の高速無線通信技術「Super 3G」(LTE)の屋外実証実験において,下り最大約250Mビット/秒のパケット伝送に成功したと発表した。同社は,2009年にSuper 3Gの開発完了を目指している。

 Super 3Gとは,W-CDMAの拡張技術であるHSDPA(high-speed downlink packet access)やHSUPA(high-speed uplink packet access)をさらに発展させた3.9世代の技術。一般的には「LTE」(long term evolution)という名前で知られている。W-CDMAネットワークをNTTドコモが「FOMA」と名付けたのと同じように,NTTドコモはLTEのことを「Super 3G」と呼んでいる。

 同社は2007年7月から屋内での実証実験を進めてきた(関連記事)。2007年秋には「CEATEC JAPAN 2007」の会場でも,無線伝搬路を模擬するシミュレータ回路に基地局装置と移動局装置を接続して,ハイビジョン・ストリーミング映像を12本同時に流すデモを実施した(関連記事写真)。2008年2月末から,実際の無線環境における性能を把握するために屋外実験を開始したという。

 今回の実験は,4本の送受信アンテナによる4×4MIMO(multiple-input multiple-output)を用い,LTE標準仕様の片方向の最大帯域幅である20MHzを使って実施した。その結果,理論上の最大速度である約300Mビット/秒に対し,約250Mビット/秒の速度を記録したという。実験の詳細は,米国ラスベガスにて2008年4月1日から開催される「CTIA Wireless 2008」にて紹介する予定だ。

 同社は2009年にSuper 3Gの技術を完成させる計画で,2010年以降の商用展開を目指している。同社の計画にはNEC,富士通,パナソニック モバイルコミュニケーションズといった国内主要ベンダーのほか,スウェーデンのエリクソン,フィンランドのノキア・シーメンス・ネットワークス,仏アルカテル・ルーセントといった世界の大手ベンダーも参加している(関連記事)。

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