電話機用ボイスレコーダー「LIC-TRA056SD」(ロジテックのWebサイトから引用、以下同じ)
電話機用ボイスレコーダー「LIC-TRA056SD」(ロジテックのWebサイトから引用、以下同じ)
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対象製品でも、ラベルに黒いドットが書かれている場合には安全
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対象製品でも、外箱に青いタックシールが貼られている場合には安全
対象製品でも、外箱に青いタックシールが貼られている場合には安全
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 ロジテックは2008年3月21日、同社の電話機用ICレコーダー(ボイスレコーダー)の一部に、ウイルスが含まれていることを明らかにした。Windowsパソコンを接続するだけで、そのパソコンにウイルスが感染する恐れがある。

 対象製品は、2008年3月12日以前に出荷された「LIC-TRA056SD」(図1)。「LIC-TRA056SD」は、電話機と接続して会話を録音するICレコーダー。以下のシリアル番号(S/N)に該当する製品の最大15%(最大735台)に、ウイルスが含まれている可能性があるという。

対象シリアル番号対象台数
76R813200001~76R813200900900台
78R813200001A~78R813203000A3000台
81R813200001A~81R813201000A1000台

 対象製品であっても、ラベルに黒いドットが書かれている製品(図2)や、製品外箱に青いシールが貼られている製品(図3)については、同社で検査済みなので、ウイルス混入の危険性はないとしている。また同社によれば、実際に販売された対象製品は1000台未満であるという。

 今回のウイルス混入は、同製品のユーザーからの問い合わせで発覚した。同製品の一部には、内蔵メモリーに「copy.exe」「host.exe」「autorun.inf」という名前のファイルが最初から保存されている。このうち、copy.exeとhost.exeがウイルスの実体。autorun.infが、これらのウイルスを自動再生するためのファイルである。パソコンをUSBで接続すると、このautorun.infが自動的に起動され、copy.exeとhost.exeがパソコンにコピーされて感染する場合があるという。

 これらのウイルスは、バックグラウンドで別のウイルスのダウンロードおよび実行を行う。また、ウイルス感染パソコンに接続されている別のUSB機器に、ウイルスをコピーしようとする。

 今回のウイルスについて、多くのウイルス対策ソフトは対応している模様。例えばシマンテックの対策製品では、「Backdoor.Formador」として検出し削除する。このためロジテックでは、対象製品のユーザーに対して、製品ならびにパソコンのウイルススキャンを実施するよう勧めている。また、未使用の製品については、新品に交換する。相談用の電話窓口も開設している。

 ロジテックによれば、3月12日以前には、ウイルスを見つけたとする報告が2件寄せられたが、それ以降は、感染報告は寄せられていないという。また、同製品は量販店でも販売されているが、法人ユーザーがまとめて購入するケースがほとんどであり、法人ユーザーに対しては、販売チャンネルを通じて今回の件を知らせているという。