写真●検証センター内にある店舗・倉庫の検証環境
写真●検証センター内にある店舗・倉庫の検証環境
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 NECは2008年3月25日、中国・上海に無線ICタグの検証センター「中国RFIDイノベーションセンター」を開設したと発表した。検証センター開設を機にNECは中国のSI企業との連携を強化し、現地企業や日系企業へのICタグ導入を働きかける。

 検証センターは中国子会社のNEC信息系統有限公司(日本語表記はNECソリューションズ(中国))と、中国において交通・物流分野の権威がある同済大学と共同で設立された。上海にある同済大学の嘉定キャンパス内にセンターを設置し、工場や倉庫、店舗、オフィスなどにおけるICタグの利用環境を再現できるようにした(写真)。約1000万元(1億5000万円)の設立費用はNECが負担し、同済大学は場所と研究員を提供する。

 中国では昨年4月にUHF帯ICタグの利用が認められたことで、急速にICタグ市場が伸びている。2010年に1000億円規模まで成長するとNECは予測する。検証センターの設立に併せ、NECソリューションズ(中国)は40人規模のICタグ・ソリューション事業部隊を新設し、ICタグ関連システムの検証・販売体制を強化する。NECは今後3年間で、中国国内300社からICタグ案件を獲得する計画だ。