写真●アドバンスデザインが発売した「DataSweeper Handy」
写真●アドバンスデザインが発売した「DataSweeper Handy」
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 アドバンスデザインは,ハード・ディスクのデータを安全に消去するための製品として,USBで外付けして起動するPC周辺機器の形状をした「DataSweeper Handy」を,2008年3月25日に販売開始した(写真)。ソフトウエア製品ではないため可搬性に優れ,同時に複数台のパソコンのデータを消去する際などに都合が良い。価格は本体が2万9800円(税別)。別途必要になる利用ライセンスは,パソコン1台あたり600円(税別)。

 DataSweeper Handyは,廃棄するパソコンのハード・ディスクに書かれたデータを消去することにより,廃棄したハード・ディスクを経由した情報の漏えいを防止するための製品である。故意に別のデータで上書きするなどの方法により,簡単にはデータを復旧できないようにする。利用可能な消去方式は,米国国家安全保障局(NSA)方式など全13規格。

 このための道具立てとして,データ消去ソフトウエアとLinuxベースの起動OSを,容量128MバイトのUSBメモリーに搭載している。ユーザーは,パソコンにDataSweeper HandyをUSBケーブルで接続して起動し,メニューを操作してハード・ディスクのデータを消去する。

 主な特徴は3つある。最大の特徴は,起動してデータ消去を開始すれば,処理が終了しなくてもDataSweeper Handyを取り外すことが可能である点。これにより,DataSweeper Handyが1台しかなくても,つなぎかえることで,複数台のパソコンのデータ消去作業を同時にできる。同社によれば,従来はデータの消去が終了するまでは取り外すことができなかったため,複数台のパソコンのデータを同時に消去することはできなかったという。

 2つ目の特徴は,DataSweeper Handy本体に時計を内蔵しており,起動OSがDataSweeper Handy本体から時刻を取得する点。これにより,日時が大幅にずれている旧式パソコンのデータを消去する際でも,正しい日付と時刻でログを記録/保存できる。時刻発信源はクオーツ(水晶)で,精度は年差10秒程度と精度が高い。時計を動かすために内蔵する電池の寿命は10年間と長期である。

 なおデータ消去ログは,DataSweeper Handy本体に記録するほか,データ消去したハード・ディスクにも記録する。データ消去済みのハード・ディスクから起動しようとすると,データ消去ログが画面に表示される。

 最後の特徴は,あえて本体のサイズを大きくして存在感を演出したこと。サイズは幅84×奥行き89×厚さ12mmで,重さは100g。電源供給はUSBバス・パワー。このようにした背景には,一般的なUSBメモリー製品の大きさにするとサイズが小さすぎて業務では使いにくいという事情がある。また紛失の恐れもある。一方で,弁当箱サイズなど巨大なサイズにすると邪魔になり可搬性が損なわれる。ちょうどよい大きさを考えた結果,手のひらサイズにしたという。