伊仏合弁の半導体メーカーSTMicroelectronicsとシンガポールのVeredus Laboratoriesは現地時間2008年3月24日,主要インフルエンザ・タイプを短時間で検出できる携帯型のラボ・オン・チップ(Lab-on-Chip)アプリケーション「VereFlu」を商品化すると発表した。シンガポールのNational University Hospital of Singaporeで実施した評価試験が成功したことを受けて商品化を決定したという。

 VereFluは,STMicroelectronicsのラボ・オン・チップ・プラットフォーム「In-Check」とVeredusのバイオアプリケーション技術を組み合わせたもの。1度のテストで,インフルエンザA型,B型,鳥インフルエンザH5N1型などを判別できるという。分子レベルの診断を実施することで2時間以内に感染を判別して病原体の遺伝子情報を提供できる。従来の方法では,特定に数日から数週間かかっていた。

 In-Checkプラットフォームにより,指の爪程度の大きさの使い捨てチップを使って患者の血液,血清,または綿棒で採取した標本などを分析できる。この方法により,時間短縮と複雑さの軽減だけでなく,2次感染のリスクも低下するとしている。

 STMicroelectronicsとVeredus Laboratoriesは,VereFluの成功を受けてシンガポールに共同の研究開発所「Bio-Application Lab」を設置した。両社は共同でIn-Checkプラットフォームをベースとする新しいアプリケーションの開発に取り組む。

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