米Yahoo!は米国時間2008年3月24日に,インドTata Sonsの子会社であるComputational Research Laboratories(CRL)とクラウド・コンピューティングの研究で協力すると発表した。インドの学術機関などに対し,CRLが所有するスーパーコンピュータ「EKA」を用いたインフラへのアクセスを提供する。

 EKAは,1万4400個のプロセサ,28Tバイトのメモリー,140Tバイトのハードディスク装置を搭載する。ピーク時の性能は180TFLOPSで,世界スーパーコンピュータの性能ランキングで4位となっている。Yahoo!とCRLによれば,世界スーパーコンピュータのトップ10のうち,民間による出資で,商業的条件のもとで利用されるのはEKAのみという。

 両社の協業では,EKAをベースに,分散ファイル・システム/並列実行ソフトウエア「Hadoop」の最新版や,Yahoo!の研究部門Yahoo! Researchが開発した並列プログラミング言語「Pig」といった分散コンピューティング用のオープンソース・ソフトウエアを稼働させ,多くの研究者が利用できるようにする。

 ちなみにYahoo!は同様の研究支援の一環として,昨年11月にスーパーコンピューティング・クラスタ「M45」を用いたシステムの提供を開始している。M45は,プロセサ約4000個と3Tバイトのメモリー,1.5ペタバイトのハード・ディスク装置を備えており,カーネギーメロン大学などが利用している(関連記事:Yahoo!,分散コンピューティング研究用に演算速度27テラFLOPSのシステムを提供)。

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