写真●接続委員会の第108回会合
写真●接続委員会の第108回会合
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 総務省は2008年3月21日,接続委員会の第108回会合を開催した(写真)。同委員会は現在,NGN(次世代ネットワーク)の接続ルールと,2008年度以降の光ファイバ接続料を議論している。前回会合で決めた通り,NTT東西の光ファイバに対する1分岐貸しの義務化は見送り,2008年度以降の光ファイバ接続料はNTT東西に値下げを要請することにした(関連記事)。

 今回の会合では,委員から光ファイバ接続料に関する質問が相次いだ。具体的には,(1)算定期間を3年から5年に延長することを検討する必要はないか,(2)接続料値下げで最も恩恵を受けるのはNTT東西地域会社ではないか,(3)需要予測の見直しでどの程度の値下げを期待できるのか--などである。

 事務局(総務省)の回答は以下の通り。(1)については「今回の要請は接続料を単に低廉化することを目指したものではない。他事業者に貸し出すダーク・ファイバの需要予測が保守的になっていることに対し,『他事業者による活発な事業展開を考慮した需要予測に見直すこと』を求めている。算定期間の延長までは考えていない」とする。

 (2)については「接続料の値下げでNTT東西の営業部門が恩恵を受けるのは事実。ただ,同時に管理部門の収入が減少する。会社全体では恩恵を受けないと考えている」とした。

 (3)の値下げ幅については「NTT東西による再申請を待たなければ分からない」とする。これに対しては「小幅な値下げで終わるとFTTH市場の競争が進まないのではないか」といった質問も出たが,「NTT東西を除いた接続事業者同士で光ファイバの設備を共用(して1分岐貸しと同じ利用形態を実現)すればFTTHサービスの提供コストを抑えられる。この取り組みと接続料値下げの両面でFTTHサービスの低廉化が進むことに期待している」という回答である。

 最終的に,前回の答申案(接続ルール)と報告書案(光ファイバ接続料)から内容はほとんど変わらなかった。情報通信審議会はこれを踏まえ,27日に答申する予定である。