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 シンプロビジョニングは、ストレージ装置の仮想化を実現するために利用する機能。容量拡張時にボリュームを再設定する必要がないため、サーバーを止めることなく容量を拡張できるのが特徴だ。ストレージベンダーの米3PARは、2003年からシンプロビジョニング機能を搭載したストレージ装置を提供。5年の経験を基に、シンプロビジョニングの評価指標をこのほど発表した。来日したワールドワイドマーケティング担当のクレッグ・ヌネス副社長(写真)に、シンプロビジョニングについて聞いた。

■シンプロビジョニングが重要なのは、ストレージの仮想化で鍵を握る機能だからだ。ストレージの仮想化では、ディスクの容量をユーザーのニーズに合わせて自由に増設できなければならない。従来、ストレージ装置を利用するためには、サーバーやメインフレームごとに使用するディスク領域を割り当てなければならなかった。しかも割り当ての設定を変更するには、サーバーを停止する必要がある。24時間365日稼働が当たり前となっている現在、非常に大きな問題だった。この問題を解決するのがシンプロビジョニングだ。

■2007年に入り日立製作所が、2008年には米EMCが、シンプロビジョニング機能を搭載したストレージ装置を提供すると発表した。これまで当社や小規模なストレージベンダーしかシンプロビジョニング機能を提供していなかった状況が大きく変わり始めた。しかし各社とも同じ「シンプロビジョニング」という単語を利用していても、実態は違う。このことを認識していないユーザー企業、パートナー企業がまだ多い。

■シンプロビジョニングを評価するには、ディスクへのデータの書き込みサイズや、事前の割り当てをどれだけ細かくしなければならないか、といった点で判断してほしい。ディスクにデータを書き込む手法は、ベンダーによって異なる。どれだけ細かいサイズで書き込め、実際のデータ以上に必要なディスク領域がどれだけ少ないかが重要だ。事前の割り当てが、ディスクドライブ単位やRAID単位といった単位では、それぞれのグループで管理しなければならず、仮想化のメリットは得られにくい。ストレージ全体で一つのプールとして割り当てることができるかを評価してほしい。