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 The Linux Foundation Japanは3月19日,システム・インテグレーション(SI)に使えるオープンソース・ソフトウエア(OSS)のデータベースを公開した。212種のOSSを収録しており,大手ベンダーにおける利用実績に基づき◎,○,☆,♪に分けレーティングしているのが特徴。

 The Linux Foundation Japanは,Linus Torvalds氏がフェローとして在籍するLinux推進・標準化団体「The Linux Foundation」の日本支部。データベースを作成したのはThe Linux Foundation JapanのワーキンググループであるSI Forumで,同Forumに所属する大手ベンダーでの利用実績を調査した。参加ベンダーはNECソフト,サイオステクノロジー,シーイーシー,日立システムアンドサービス,日立製作所,三菱電機,東芝ソリューション,日本IBM,富士通である。

 ベンダー社内での活用状況を調査し,既に実績がある,あるいは今後活用が見込まれるOSSについては,以下の記号によりレーティングした。「各社の中でもとりわけオープンソース・ソフトウエアの企業システム適用の最前線に立つメンバーが参加,システム構築の現場で,いかに活用されているかを捉えることができた」(The Linux Foundation Japan ディレクタ 工内隆氏)。

◎:ほとんどのベンダー・SIerが既に採用している
◯:複数のベンダー・SIerが既に採用している
☆:実績は少ないが,複数のベンダー・SIerが評価を完了,採用が始まる見込み
♪:複数のベンダー・SIerが注目,今後評価が進む見込み

 国産のOSSについて見てみると,Rubyは「◎」,Seasar2は「♪」,運用管理ツールのHinemosは「♪」,Rubyベースのバグトラッキング・システム影舞は「○」,プロジェクト管理ツールのProject Keeperは「♪」となっている。

 またソフトウエアはSIの各プロセスに分けて整理してある。要求/要件定義,分析/設計,プログラミング,単体テスト,機能テスト,構築,計測テスト,負荷テスト,脆弱性テスト,運用/保守,変更/構成管理,プロジェクト管理の12プロセスである。

 そのほか,GPLやBSDライセンスといったライセンス,有償サポートの有無,稼働OSといった情報も記載されており,これらによる検索や絞り込みも可能。

 SIに使用される可能性のあるOSSは212種に留まらないと思われる。The Linux Foundation Japanでは,さらなる情報提供を求めたいとしており,情報提供フォームも用意している。

◎関連リンク
いろいろなSIプロセスで使用できるOSSツールの調査(The Linux Foundation Japan)