米Sybaseの子会社Sybase iAnywhereは米国時間2008年3月18日,同社の企業向けモバイル・アプリケーション・スイート「Information Anywhere」を,米Appleの携帯電話「iPhone」に対応させると発表した。これにより,米IBMの「Lotus Domino」や米Microsoftの「Exchange Server」を利用している企業ユーザーは,セキュリティの心配をすることなく,iPhoneでメールを受信できるようになる。

 具体的には,iPhoneを使って社内の電子メールにオンライン,オフラインの両方でアクセスできるようになる。社内のメッセージング・インフラを変更する必要はなく,アウトバウンド接続モデルによりセキュリティも確保する。

 添付ファイルの制限に加え,紛失時に備えて,アクセス制御やデータの削除なども行える。また,社内のディレクトリや連絡先などにもアクセス可能。

 AppleはiPhoneの第2世代ソフトウエア「iPhone 2.0」を米Microsoftの「ActiveSync」プロトコルに対応させると発表した(関連記事:アップルがiPhone SDKを公開,アプリ配布用の新サービスも発表)。しかし米メディア(InfoWorld)によると,Exchangeサーバーからは,メールのプッシュ型配信が可能になるが,Lotus Notesでは一定時間ごとにメールを受信するプル型配信しか利用できず,ビジネス・ユースとしては不十分だった。

 iAnywhere副社長のMark Willnerd氏は「iPhoneをビジネス環境でも利用したいと考える企業ユーザーから,iPhone対応を望む声が多数寄せられていた。今後は,同スイートの電子メール以外の機能でも,iPhoneをサポートしたい」と述べている。

 同社は3月末までに,iPhone対応Information Anywhereの提供を始める。

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