米Novellは米国時間2008年3月17日,企業向け次世代Linuxディストリビューション「SUSE Linux Enterprise 11」の開発計画を発表した。最新のLinuxカーネル(バージョン2.6.27を予定)を採用し,データセンター技術や仮想化技術を強化するほか,デスクトップLinuxの生産性やコラボレーションを向上させる機能の追加を予定している。

 新版は,仮想化ソフトウェア「Xen」の最新版(バージョン3.3)の搭載を予定しており,クロスプラットフォームの仮想化がサポートされる。そのため,ユーザーは,容易にLinux,Windows,NetWareサーバーを統合できるようになるという。

 新版は.NETアプリケーション互換開発環境「Mono 2.0」の提供を予定する。Mono 2.0により,Linux上で.NETアプリケーションを実行できるほか,移行分析ツールなどが提供される。デスクトップ機能の強化では,エンドユーザーの生産性や柔軟性を高めるために,Novellのコラボレーション製品「Teaming + Conferencing」を統合する。このほかにも,プロセサのアイドル状態におけるティックレス・アイドルのサポートや仮想マシン向けの省電力機能など,新しい電力管理機能を追加する。

 Novellは,アプライアンスとしてSUSE Linux Enterprise 11の提供を予定するほか,組み込み版の提供も計画しており,独立系ハードウエア・ベンダー(IHV)はハードウエアに仮想化技術とOSを直接組み込むことが可能となる。また,特定の独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)向けに最適化したバージョンの提供も計画している。

 製品スイートの詳細とSUSE Linux Enterprise 11の公開予定は後日発表される。

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