総務省は2008年3月17日,ユビキタス特区として六つの対象プロジェクト/地域を決定した(発表資料)。既に2008年1月25日に第1弾として22件を決定しており(関連記事),合計28件を2008年度よりユビキタス特区として推進していく。

 今回ユビキタス特区として認定された事業の中で,目を引くのがポケベル周波数の跡地利用である。280MHz帯(285.4625M~285.7375MHz)を利用して,ガス検針や,放置自転車の管理などの無線ネットワークサービスの開発・実証を行う。東京都23区の一部で実施する予定で,提案はNTTおよびNTTコミュニケーションズである。また,エリアポータルなどは,「分離型セグメント放送」を用いた地域特性に適した映像情報サービス基盤の実証を行う。利用周波数はUHF20チャンネルで,地域は神奈川県横須賀市である。

 今回の認定では,電波を使わないものも事業として認められた。沖縄県那覇市の「ASP・SaaS による環境家計簿の実証」と,東京都新宿区の「電話番号を企業のマスターIDとする電子申請等支援サービスの開発・実証」(電話番号とそれに付随する企業情とで構成する企業ディレクトリ(企業台帳)をネット上に整備した上で,電話番号を企業のマスターIDとして公的証明書類取得などにおける企業情報の多重入力を不要とし,企業などにとって多くのIDパスワードを管理する手間を省くなど)である。

 このほか今回の認定では,次世代ワンセグ放送(愛知県名古屋市,放送と通信のシームレスな切替えなどを可能とする新ワンセグ端末の開発・実証)とユビキタス観光立国(沖縄県名護市,広域エリアではGPS,中域エリアではアクティブタグ,狭域エリアではFeliCa の機能を1つの携帯端末において自律的に連携させた観光誘導モデルの実証)である。

 なお,ユビキタス特区の推進プロジェクトのうち,国による予算支援を予定するプロジェクトの11件の委託先については,2008年度予算の国会審議を踏まえて予算執行の手続を進め,公募により決定する計画。また,2009年度から開始するユビキタス特区事業については,2008年夏頃に提案募集を行うことを予定する。