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映像・音楽の流通促進に向け「ネット権」を新設すべし――有識者フォーラムが提言

金子 寛人=日経パソコン 2008/03/17 日経パソコン
デジタル・コンテンツ法有識者フォーラムの代表を務める政策研究大学院大学 学長の八田達夫氏
デジタル・コンテンツ法有識者フォーラムの代表を務める政策研究大学院大学 学長の八田達夫氏
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 コンテンツ企業の経営者や知的財産権法の学識経験者らで構成する「デジタル・コンテンツ法有識者フォーラム」は2008年3月17日、インターネット上でコンテンツの流通促進を図るための政策提言を行った。テレビ番組・映画・音楽の3分野について、インターネットで配信するための諸権利を統合した「ネット権」の新設が柱。これを放送局、映画会社、レコード会社などの各社へ与える代わりに、各社に対し、コンテンツ流通により得た収入を適性に分配することを求めている。このほか、コンテンツの二次利用について、米国で導入されているフェアユース規定を日本でも導入すべきとした。

 現行の著作権法を基にテレビ番組や音楽をインターネットで流通させるには、すべての著作者・著作隣接権者から二次利用の合意を取り付ける必要があり、流通を阻害する要因として問題となっている。また、テレビ番組などに偶然映り込んだ一般人の肖像権について、当人の承諾を得るのが困難といった問題もある。

 こうした問題を解決するため、提言ではインターネット上の映像・音楽流通に対象を絞った特別法の立法を提唱。「ネット権」と呼ぶ権利の創設を提案している。ネット権を持つ者は、対象となるコンテンツをネット上で流通させるための複製、譲渡といった利用を行う権利を専有し、他の者がそれらのコンテンツを二次利用する際、許諾するか否かを決める権利を与えるとした。

 ネット権を付与する対象は、テレビ番組では放送局、映画では映画会社、音楽ではレコード会社に限定。ネット権保有者は現行の著作権・著作隣接権に相当する権利を専有できる代わりに、コンテンツ配信による収益から、個々のクリエイターに適正な対価を配分する義務を負う。ネット権保有者以外の個々のクリエイターは、現行の著作権・著作隣接権で認められている二次利用の許諾権を失う代わりに、現行制度より報酬請求権が手厚く保護される。

 ネット権の導入に併せ、インターネットでのデジタルコンテンツの利用を対象にフェアユース規定を新設する。これにより、公正な用途での二次利用を対象に、権利者の権利行使を制限する。具体的には、現行の著作権法では、著作者や実演家などの所在が不明の場合、あるいは著作者や実演家が正当な理由なく二次利用を拒否している場合に、コンテンツの流通が困難になるという問題がある。フェアユース規定により、公正な用途と判断できる範囲内であれば、迅速に二次利用を行えるようになるとする。また、新たな形でコンテンツの二次利用を行うインターネット上のサービスが登場した場合に、法整備が遅れているために合法性を担保できないといった事態を避けることができるとしている。

 フォーラムの代表を務める政策研究大学院大学 学長の八田達夫氏は、「世界各国はネットビジネスの推進に向けた法整備を進めており、米国からはGoogleやYouTube、中国からは百度(Baidu)がそれぞれ登場し、日本にも進出している。そんな中、我が国だけが世界から取り残されていないかと危惧している。最大の問題は、現行の著作権法ベースでは権利処理の負担が大きいこと。ネット権の創設によりネットビジネスの推進とクリエイターへの対価の還元を両立でき、ユーザーにも利益をもたらすことができる。提言を世に問うことで議論を喚起していきたい」と語った。

 今回の提言では主にプロのクリエイターが制作する映像・音楽流通のみを想定しているが、一般消費者が広く著作物の創作に携わる、いわゆるCGM(consumer generated media)にもプラスに働くとする。「プロが制作するコンテンツが流通すれば、ネット上のコンテンツの量が増え、間接的にCGMの創作も活性化されるだろう。また、テレビ番組や映画、音楽も、プロによる制作の次の段階として、CGMの現金化を検討するだろう。ネット法などの整備は、そうしたCGMを生かしたコンテンツ制作へと道をつなげるものと考えている。既存のクリエイティブ・コモンズ(CC)では、著作権をめぐる法的問題は回避できるが、コンテンツへの課金は解決できない。ネット法であれば、法的問題の回避とクリエイターへの対価支払いの両方を解決できる」(GMOインターネット 代表取締役会長兼社長の熊谷正寿氏)との見解を示した。

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