画面●Oracle VM Manager
画面●Oracle VM Manager
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 日本オラクルは2008年3月13日、仮想サーバー・ソフト「Oracle VM」の提供を開始した。同社のデータベース製品などを組み合わせた仮想化環境を一括サポートすることが特徴。仮想化環境を管理するためのツール「Oracle VM Manager」(画面)なども一緒に提供する。

 Oracle VMは、オープンソースの仮想化機能(ハイパーバイザー)である「Xen」を拡張した製品。「高速化を図り、仮想化のオーバーヘッドをVMwareの3分の1程度に抑えることができた」(オラクル・コーポレーション チーフ・コーポレート・アーキテクト エドワード・スクリーベン氏)。Xenが備える「仮想サーバーの移動機能」(Live Migration)なども利用できる。

 Oracle VM上では、オラクル製品の動作が保証されている。動作保証されている製品は、Oracle Database、同 Application Server、同 E-Business Suite、同 PeopleSoft、同 Siebelなど。現在、オラクル製品の動作が保証されている仮想サーバー・ソフトは、ほかにない。
 
 サーバーを仮想化した環境では、1台のサーバー上に複数の仮想サーバーを設け、それぞれ個別のOS(ゲストOS)を動作できる。Oracle VMで利用可能なゲストOSは、Oracle Enterprise LinuxやRHEL、Windows 2003など。そのため、例えば「Linux+Oracle」「Windows+Oracle」の2つのシステムを、1台のサーバー上で稼働させるようなことができる。

 Oracle VMはライセンス無償で、同社のホームページからダウンロード可能。24時間365日の有料サポート(グローバル・サポート)を用意する。1年間のサポート料金は、最大2個のCPUを搭載したサーバーで6万2400円(税抜き)、CPU数が無制限で12万4900円(同)である。「Oracle VMやゲストOS、その上の製品を含んだソフトウエア・スタックを、ワンストップでサポートできることが強みだ」(エドワード・スクリーベン氏)という。

 Oracle VMでオラクルが狙う市場は大きく4つある。(1)開発・テスト環境、(2)ソフトウエア・アプライアンス、(3)Webサーバー市場、(4)エンタープライズ市場、である。(2)は、オラクル製品とISVソフトをOracle VM上でテンプレート化しておき、開発環境を迅速に本番環境に適用できるようにする。