日本版SOX法(J-SOX)への対応を「ほぼ完了」している企業は6.9%、「かなり対応」している企業は39.6%――。日本情報処理協会(JIPDEC)は2008年3月10日、「IT統制に関する実態調査」の確報値を公表した。同調査は上場企業のシステム部門に対し、J-SOXへの対応状況を聞いた。「ほぼ完了」と「かなり完了」の企業は50%に満たず、半数以上の企業がJ-SOX対応の完了のメドが立っていないことが分かった。

 調査は上場企業の情報システム部門を対象に07年10~12月にかけて実施。508社から回答があった。同調査はJ-SOX対応の進捗度のほかにも「外部委託先の内部統制の評価方法」などを尋ねている。調査時点の段階では「まだ分からない」と回答した企業が50.8%だった。J-SOXでは委託元に対し、外部委託先の内部統制の整備・運用状況の評価を義務付けている。多くのシステム部門にとって、外部委託先の内部統制の評価が今後、課題になる可能性が高いことが分かった。

 このほか、J-SOX対応に関連する製品・サービスを提供しているITベンダーに対して「J-SOX関連市場」の動向について尋ねた。J-SOX関連のサービス受注高の内訳をITベンダーに聞いたところ、「新規システムの開発・受託」が08年度に伸びる分野と予測していることが分かった。07年度は20.2%だったのに対し、08年度は25.3%になると予測している。一方で「顧客の内部統制構築業務への技術者の派遣」や「コンサルティング」は減少すると見ている。

 JIPDECは4月にも、調査に関する詳細な報告書を発表する予定だ。単純集計値はJIPDECのWebサイトで公表している。