写真●米下院科学技術委員会の公聴会に出席したBill Gates氏
写真●米下院科学技術委員会の公聴会に出席したBill Gates氏
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 米Microsoftの会長であるBill Gates氏は米国時間2008年3月12日,米下院科学技術委員会の公聴会に出席し,将来的な革新と米国の競争力について提言した。その中でGates氏は,米国の競争力を保つために,教育の改革,高いスキルを持つ人材を国内にとどめるための移民政策の改革,基礎研究への投資増額の必要性を主張した。

 教育については,米国は革新的な技術を開発するスキルを持つ科学者とエンジニアが不足しているとして,科学と数学分野における教育の改革を訴えた。移民政策については,米国企業が優れた人材を雇用できるように改革する必要があると強調。留学生が卒業後に米国で働ける期間を延長するほか,H-1Bビザやグリーン・カードの発給数の増加などを提案している。

 基礎研究への資金増額については,議会に対して今後7年間において年間10%増額するように要求。Gates氏によれば,連邦政府による基礎研究への支出は2005年以降減少しているという。基礎研究への投資は,次世代の科学者とエンジニアの教育支援にもつながるとしている。

 Gates氏は,「米国が引き続きイノベーションにおいて世界の中心でありたいと望むならば,議会,現政権および次期大統領は,断固たる行動を起こすべきだ」と訴えている。

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