米IBMは米国時間2008年3月12日,IDおよびアクセス管理ソフトウエア・ベンダーの米Encentuateを買収したと発表した。買収金額などの条件については明らかにしていない。
Encentuateはカリフォルニア州レッドウッドシティに本拠を置く未公開企業。企業向けのシングル・サインオンなど,統合的認証技術を手がけている。今後はIBMソフトウエア部門Tivoli事業に組み込まれる。
またIBMはシンガポールにセキュリティ・ソフトウエア研究所を設立し,Encentuateがシンガポールに持つ開発チームの能力を活用する。アジアをはじめとする世界の顧客に向けたサービス向上を目指す。
Encentuateの技術は,パスワード使用やサインオン/オフの管理,およびセキュリティ・ポリシーの適用を自動的に行ってセキュリティを強化しつつ,ユーザーの生産性を向上する。ユーザーは複数のパスワードやルール,ユーザーIDなどを覚える手間が省ける。またIT管理者は,一元的なログインの追跡および照合,査定およびレポーティング機能などを利用できる。
世界中の企業が自国の法規遵守への取り組みを進める中で,IDおよびアクセス管理は企業にとって重要な課題となっている。米Forrester Researchの調査によると,IDおよびアクセス管理市場は2006年の26億ドル規模から,2014年には123億ドル規模に拡大する見込みという。
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