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 ユーザーが作る地図サイトOpenStreetMap日本コミュニティのサーバーopenstreetmap.jpが3月9日,サービスを開始した。

 OpenStreetMapは,イギリスで始まったユーザーによる地図作成プロジェクト。ユーザーがGPS(人工衛星による位置測定システム)を持ち徒歩や自動車などで移動した経路をOpenStreetMapのサーバーにアップロードすることで地図を作成していく。GPSを持っていなくとも,衛星写真の道路をなぞったり,地名を書き込むことで地図製作に参加できる。OpenStreetMapのデータはクリエイティブコモンズ・ライセンスで提供される。イギリスでは,自由に使えるデータないことから,このプロジェクトが開始されたという。

 日本のコミュニティであるOpenStreetMap Japanでは「Web2.0の進歩によって,地理データ上での,店の場所を共有したり,写真を共有したりといったコミュニケーションがすすんできた。しかし既存のものは自由な地図データではなかった。町は進化し,地理情報は,常に変化し続ける。だからこそ,住民によるWikipedia的な地図は,Wikinomicsの新しい形」と話す。

 そして「日本でのプロジェクトは始まったばかり。東京だけではなく,北海道,東北,広島,四国などで活動が始まっている。街歩きは楽しい。それが,世界規模のプロジェクトの一員と思えばもっと楽しい。そして,住民がその土地のいいところを紹介することができる」と,参加を呼びかけている。

 openstreetmap.jpサーバーはPostgreSQL,PHP5,Drupal6,OpenLayersといったオープンソース・ソフトウエアを使用している。今後はMapnikやPostGISを使い,高速道路は青,国道は赤といった日本での標準的なカラーリングを反映した地図をレンダリングして提供していきたいとしている。