金融庁は3月11日、「内部統制報告制度に関する11の誤解」と呼ぶ文書を公表した。いわゆる日本版SOX法(J-SOX)の「意図を改めて説明する」(金融庁)ことが目的だ。実務の現場では、金融庁の想定以上に「過度の対応があると聞いている」(同)ことから、発表に踏み切ったようだ。文書は全部で12ページ。Q&A形式を採用している。

 公表した誤解は以下の11項目。(1)米SOX法と同じ、(2)特別な文書化が必要、(3)すべての業務に内部統制が必要、(4)中小企業でも大がかりな対応が必要、(5)問題があると罰則等の対象になる、(6)監査人等の指摘には必ず従うべき、(7)監査コストは倍増する、(8)非上場の取引先も内部統制の整備が必要、(9)プロジェクトチーム等がないと問題、(10)適用日までに準備を完了する必要がある、(11)期末のシステム変更等は延期が必要――。

 また「内部統制報告制度に関する11の誤解」と同時に金融庁は「内部統制報告制度の円滑な実施に向けた行政の対応」も発表。相談窓口の設置や、制度開始後のレビューを実施することを明らかにした。