アビーム コンサルティングとアイルランドの決済システム・ベンダーであるバリスタ・インターナショナルは2008年3月10日,決済ビジネス分野での業務提携を発表した。同日に「決済代行事業者」または「決済トランザクション処理機能の提供事業者」のサービス立ち上げを支援する事業を開始。コンサルティングや決済ビジネスの開発支援,事業戦略の策定,ITアーキテクチャの設計支援,SaaS型ビジネスの支援などを手がける。

 両社は,年間売上高が数百億円規模のxSP(各種サービス・プロバイダ)は決済機能を自前で持たず,外部の事業者が提供するサービスを使うようになると予測する。支払い方法は請求書払い,口座振替,クレジットカード,プリペイド,電子マネー,ポイント充当,クーポン,代引き,個人間の決済など多様。支払いタイミングも前払い,後払い,即時払い,エスクローなどいくつかあり,これらに広範に対応したシステムを自前で持つよりサービスを使った方が効率的であるためだ。こうした決済を代行したり決済トランザクション処理を請け負ったりする事業者が出てくると見て,立ち上げ支援のビジネスに乗り出した。

 決済ビジネスには,「多様な手段に対応した決済代行事業に新規参入するケース」「一部の支払い手段だけに対応している決済代行事業者がサービスを拡充するケース」「決済代行事業者向けにトランザクション処理の機能だけを提供するケース」などが考えられるが,両社が提供するソリューションはいずれにも対応できるという。こうした決済代行サービスを手がける企業としては,通信事業者の関連会社やMVNE(mobile virtual network enabler)などを想定する。バリスタは決済システムの提供などを担当し,ビジネス展開によってはトランザクション処理機能のサービス提供に乗り出すケースも考えられるという。

 ソリューションは個別案件で請け負う。両社は最初の1年間で2~3件,向こう3年間のトータルで7~8件の案件獲得を目指す。アビームは過去3年間で,3~4社の通信・放送事業者に10件,ERP導入やBSS/OSSコンサルティングの実績がある。バリスタの決済ソリューションは,日本では,これまでにNTTドコモを含む2社の通信事業者と1社のxSPに導入したという。

[発表資料へ]