米Amazon.comによる米Audible.comの買収計画について,Audible.comの株主が「提示額は不当な値段だ」として異議を唱えている。Audible.comの株式の約1.4%を所有する米Red Oak Partnersは米国時間2008年3月7日に,同買収計画を非難する書簡を両社の会長に送ったことを明らかにした。

 Amazon.comは,オーディオ・ブックのオンライン販売を手がけるAudible.comを買収する計画を2008年1月31日に発表。Audible.comの全発行済み株式を1株当たり11.50ドルの現金で買い取る条件で,買収金額は総額約3億ドルにのぼる。Amazon.comによれば,両社は同計画にすでに合意しており,2008年第2四半期の取引完了を見込んでいる(関連記事:Amazon.com,オーディオ・ブック販売のAudibleを3億ドルで買収へ)。

 Red Oak Partnersでポートフォリオ・マネージャを務めるDavid Sandberg氏はAudible.com会長のDonald Katz氏にあてた書簡の中で,「1株当たり11.50ドルは不十分であり,正当な価値を下回っている。当社はこれを受け入れることはできない」と述べている。

 また,同氏は買収計画に反対する声明をこの時期に出した理由として,Audible.comの2007年第4四半期決算発表が「非常に時間がかかったこと」を挙げた。さらにAudibleの収益報告がAmazon.comによる株式公開買付(TOB)の期日までわずか1週間だったことについて,「株主に十分検討する猶予を与えていない」との不信感を示した。

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