東京穀物商品取引所(東穀取)は2008年3月10日午前、システム障害によって取引を一時中断した。今年1月に導入した新しい取引システムで発生したもので、コーヒーと粗糖が対象。

 障害を起こしたのは「ザラバ取引システム」。前場の9時20分にアラビカコーヒーとロブスタコーヒー、砂糖の一種である粗糖の3商品の取引を中止する措置を採った。再起動などの処置をした結果システムは復旧し、後場の13時から通常の取引に戻った。ただ、10日の17時時点で「根本的な原因は分かっていない」(東穀取)という。前営業日の3月7日にはアラビカコーヒーと粗糖の出来高の一部表示でシステム障害が発生していた。

 東穀取のザラバ取引システムは当初昨年10月に稼働の予定だった。最終テストで問題が発見され稼働が見送られた経緯がある。ザラバ取引とは、取引時間内に出された売買注文の価格が合致した際、その価格で個別に約定する方式。それまでは、取引所が示した仮の値段に対する売買注文数が一致した価格で取引する「板寄せ」を採用していた。