写真●「MacBook Airはなんと重いんだ」とおどけるSteve Ballmer氏。左はGuy Kawasaki氏
写真●「MacBook Airはなんと重いんだ」とおどけるSteve Ballmer氏。左はGuy Kawasaki氏
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 「広告は『ネクスト・スーパー・ビッグ・シング(次の超重要事)』であり,検索こそが広告のキラー・アプリケーションだ。われわれは検索広告に関与し続けるし,Yahoo!に対する買収提案もその延長にある」--米MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏は3月6日(米国時間),Web開発者会議「MIX08」の基調講演で,同社がネット広告を重視していると再三強調した。

 3月5日から7日まで米国Las Vegasで開催された「MIX08」でBallmer氏は,同社の今後の戦略のほか「Internet Explorer 8ベータ」や「Silverlight 2ベータ」といった新製品の紹介は全て部下(Chief Software ArchitectのRay Ozzie氏や.NET Developer部門担当Vice PresidentであるScott Guthrie氏など)に任せ,自身は「元Appleエバンジェリスト」として知られるGuy Kawasaki氏(現在はベンチャー投資家)とのトーク・セッションに現れた。

 このトーク・セッションは,Kawasaki氏がBallmer氏に対して様々な質問を投げかける形で進められた。当然ながら最初の質問は「なぜYahoo!を買収しようと?」であり,それに対するBallmer氏の回答が,「広告を重視しており,そのためには検索を強化する必要がある」というものだった。

 続くKawasaki氏の「それで状況は?」という質問に対しBallmer氏は「オファーを出したところだ」と返答。Ballmer氏が広告と検索に言及したにも関わらず「Gで始まる単語(もちろんGoogle)が出ませんでしたが?」突っ込むKawasaki氏に対して,「検索市場は(Google)とのゼロ・サム・ゲームかもしれない。それでも今日,数え切れないほどの検索クエリが1日にあり,これを見逃すことができない」(Ballmer氏)と力説した。

 またBallmer氏は「Microsoftにはデスクトップ,サーバー,エンターテインメント,オンラインという4つの事業領域があり,Googleはオンラインでのライバルにしか過ぎない。デスクトップではAppleやLinuxがライバルであり,サーバーはIBMやOracle,Linuxがいる。エンタープライズにはGoogleはいない。ゲーム機にも携帯電話機デバイス事業にもいない」と力説した。

 ここまでで分かるように,Ballmer氏はKawasaki氏の質問に対して,あくまで「強気」を押し通した。その結果生じたのが,写真のようなシーンである。手持ちの封筒から「Mac Book Air」を取り出して「こんなコンピュータを使いたいと思いませんか?」と質問したKawasaki氏に対して「これは私が使っているPCよりも重い!これは本当だ。私が持ち運んでる東芝のPCよりも重い!」と述べながら,Kawasaki氏の手からMac Book Airを奪って,さも重そうな姿をして見せた。

 Ballmer氏はまた,来場者からの求めに応じて「Webデベロッパー!Webデベロッパー!Webデベロッパー!」と絶叫するパフォーマンスも披露(これは2001年に,Ballmer氏がカンファレンスで「デベロッパー!デベロッパー!デベロッパー!」と叫びながら壇上を飛び回る姿を映したビデオが「モンキー・ダンス」としてネットで広まったことにちなんでいる)。会場を沸かせてみせた。