オープンソース・ソフトウエアの法律問題を手がける米国の非営利団体Software Freedom Law Center(SFLC)は米国時間2008年3月6日,SFLCがUNIXユーティリティ・ソフトウエア「BusyBox」の開発者2名の代理人として無線機器メーカーの米High-Gain Antennasを相手取って起こしたGeneral Public License(GPL)違反訴訟が和解に達したと発表した。

 BusyBoxはオープンソースのUNIXユーティリティ・パッケージ。組み込みシステムで多く利用されている。BusyBoxはGPL version2(GPLv2)を採用しており,利用する場合にはソースコードの再配布を条件としている。High-Gain Antennasはいくつかの無線接続機器でBusyBoxを採用しているが,SFLCは同社がBusyBoxを利用する際にGPLの条件を守らなかったとして2007年11月に提訴していた(関連記事:オープンソース団体SFLC,GPL違反で今度は無線機器メーカー2社を提訴)。

 High-Gain Antennasは,GPLへの準拠を監視するOpen Source Compliance Officerを社内に設け,High-Gain Antennasがこれまで配布してきたBusyBoxのソースコードをWebサイト上に公開するほか,ユーザーに対してライセンスを告知することで合意している。原告側は今回の訴えを取り下げ,High-Gain AntennasにGPLに基づいてBusyBoxを配布する権利を与えることで合意した。また,和解条件にはHigh-Gain Antennasから原告側への金銭の支払いが盛り込まれているが,金額については明らかにしていない。

発表資料へ