写真●アップルのiPhone
写真●アップルのiPhone
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 米アップルは2008年3月6日(現地時間),開発者向けのイベントを開催し,iPhoneとiPod Touch向けOSの新版「iPhone 2.0」のベータ版を公開した。特徴は同時に公開したソフトウエア開発キット(SDK)への対応と,企業向け機能の強化となる。正式版は6月に出荷予定。iPhoneユーザーは無償アップデートの対象となり,iPod Touchでは有償アップデートになるという。

 iPhone向けのソフトウエア開発キットであるiPhone SDKは,同日付でベータ版の配布を開始した。(1)Mac OS X上で動作する開発環境「Xcode」のiPhone向けアプリ開発対応版,(2)ドラッグ・アンド・ドロップでアプリケーションのインタフェースを作成可能な「Interface Builder」,(3)作成したアプリケーションのCPUパフォーマンス分析ツールである「Instruments」,(4)OS X上で動くiPhoneのシミュレータである「iPhone Simulator」の主に4種類のツールで構成。これらのツールを利用することで,iPhoneやiPod Touchが持つマルチタッチ・スクリーンや傾きセンサーを利用したアプリケーションが作成可能だ。インテル製CPUを搭載したMac OS X 10.5.2以降のMacに対応する。

 iPhone SDKで作成したアプリケーションは,新たに開始するiPhone用アプリケーションを販売するサイト「App Store」にて配布できる。開発者がアプリケーションを有料で配布する場合,販売額の30%をアップルに支払う。なお無料でアプリケーションを配布する場合はアップルへの支払いは必要ない。無線LANもしくは携帯電話のネットワーク経由での直接ダウンロードに対応。今後リリースされるiPhone向けのアプリケーションはすべてApp Store経由での配布となるという。

 企業向けの機能強化点としては,マイクロソフトのExchangeサーバーとiPhoneのメールやスケジューラが新たに連携可能になった。プッシュでのメールやスケジュールの配信やリモートワイプ機能などに対応する。さらに米シスコの機器とのIPsec接続も新たにサポートしているという。

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■変更履歴
第2段落と第3段落に情報を追加しました。[2008/03/07 09:02]