インクジェットプリンターは単機能機は年平均8%ずつ減るのに対し、複合機は年平均5%ずつ増えると予測する
インクジェットプリンターは単機能機は年平均8%ずつ減るのに対し、複合機は年平均5%ずつ増えると予測する
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ページプリンターは、モノクロ型が堅調で、2000万台を突破。需要の50%を新興国が占める
ページプリンターは、モノクロ型が堅調で、2000万台を突破。需要の50%を新興国が占める
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 電子情報技術産業協会(JEITA)は2008年3月6日、2008年版の「情報端末装置に関する市場調査報告書」を発行した。1972年から毎年発行しているもので、各メーカーへのアンケート調査を基にパソコン周辺機器の需要について、現状と予測をまとめた。ディスプレイ、プリンター、ハードディスクについては、それぞれ世界と日本の市場規模を、台数と金額ベースで算出している。光学ドライブについては世界市場、スキャナー、OCR装置については日本市場の規模のみ調査した。

 ディスプレイは、2007年の出荷台数が世界で1億6347万台で、2010年には1億8458万台に増加すると見込む。2008年の時点で、18~19型の台数が16~17型を超え、市場で主流になるとみている。また横長タイプも増え続け、2008年には50%に達する。

 プリンターは、2007年の出荷台数が世界で1億3192万台。これが2011年には、1億4574万台に伸びる。インクジェットプリンターは、既に欧米市場では70%が複合機型となった。ページプリンターについては、モノクロ機が堅調で、初めて2000万台を突破。新興国での需要が大きかったためで、2009年までは増加し続けるとJEITAは予測する。カラー機がページプリンター全体に占める割合は15%(2007年)にとどまるが、2011年には日本で33%、北米や欧州では35%に伸長するという。

 ハードディスクの世界の出荷台数は、2007年が4億9496万台で、2010年の予測は6億3747万台。当面、ハードディスクの需要は旺盛とみる。2.5型が占める割合は、2007年において全体の40%。日本は2.5型の比率が高く、53%に達している。ノートパソコンやカーナビゲーションシステムの人気が高いのが理由とする。

 光学ドライブは、2007年の出荷台数が世界で3億840万台で、2010年には3億7832万台となる。最も伸びが期待されるのが、青紫レーザーを使った「Blu-ray Disc」に代表される新世代DVDであり、2010年には再生のみのプレーヤーが2904万台(2007年比で2287%増)、録画も可能なレコーダーが2714万台(同、4828%増)と予測する。ただ2010年の時点でも、これらの新世代DVDが光学ドライブ全体に占める割合は15%にとどまる。なお、本報告書の調査は2007年に実施しており、2008年2月に東芝が表明した「HD DVD事業からの撤退」による影響は織り込まれていない。

 一方、スキャナーとOCR装置の日本市場での需要は、スキャナーが34万6000台(2007年)が37万台(2010年)とほぼ横ばい。OCR装置は31万台(2007年)が38万台(2010年)となり124%増加する。

■変更履歴
プリンターの出荷台数について「2010年には1億4574万台に伸びる」とありましたが,正しくは「2011年には1億4574万台に伸びる」でした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/03/18 13:42]