SAPジャパンは2008年3月6日、ERP(統合基幹業務システム)パッケージ「SAP ERP 6.0」に、新機能を追加するためのソフトウエア「エンハンスメントパッケージ(EhP)」の第3弾を出荷した。「煩雑なバージョンアップ作業なしに、さまざまな機能をERPに追加する」(カスタマーイノベーションセンタービジネスアプリケーションの松村浩史マネージャー)のがEhPを提供する狙いだ。
今回発表したEhPは「業界共通機能」と「業種特化機能」を合わせて約1400種類の新機能を提供する。業界共通機能としては、財務諸表をXBRL形式で提出するレポートや、環境関連のコンプライアンス(法令順守)項目を統合管理する機能などを提供。業種特化機能は、官公庁・公共機関や保険、食品・消費財などの10業種を対象にする。
独SAPは昨年、最新版SAP ERP 6.0以降のメジャー・バージョンアップ凍結を宣言。代わりにEhPを提供し、ERPパッケージの機能を強化する戦略を示した。ユーザー企業はEhPが提供するすべての機能を導入するのではなく、自社が利用したい機能を選択して導入できる。UI(ユーザー・インタフェース)と機能を個別に提供するため、「これまでのメジャー・バージョンアップのような大規模なシステム停止なしに、機能を追加できる」(松村マネージャー)。独SAPは今年、CRM(顧客情報管理)ソフトやSCM(サプライチェーン管理)ソフトについても同様の方針を適用する予定だ。