「Bento」の画面。写真入りで、知り合いの連絡先を管理する
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音楽レッスンの予定を管理。背景などのデザインは自由に変えられる
音楽レッスンの予定を管理。背景などのデザインは自由に変えられる
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米ファイルメーカーのグピール社長(左)と、ファイルメーカー日本法人の宮本社長(右)
米ファイルメーカーのグピール社長(左)と、ファイルメーカー日本法人の宮本社長(右)
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 ファイルメーカーは2008年3月5日、個人向けデータベースの新製品「Bento」を、2008年3月6日に発売すると発表した。パソコン内のデータを整理するためのソフトウエアで、対応OSはMac OS X Leopard。価格は4800円(税別)。5ライセンス分利用できるファミリーパックは、9800円(税別)。製品名の「Bento」は、日本語の「弁当」に由来する。「栄養があるさまざまな食品が一つの箱に美しく収まっている弁当のように、さまざまなデータを1カ所に美しくまとめる」という意味を込めた。

 「Bentoは、データベースを初めて触る人にも使ってもらえる製品だ」――。製品発表会でこう話したのは、米ファイルメーカーのドミニーク・P・グピール社長。「iTunes」に似た外観を採用することでなじみやすさを演出した上で、データベースに関する知識がなくても簡単にデータ管理ができるようなユーザーインタフェースを開発した。

 例えば、Mac OS Xが標準で備えている住所録ソフト「アドレスブック」やスケジュール管理ソフト「iCal」のデータを読み込み、そのままBentoで扱える。新規にデータのフィールドを追加したい場合は、あらかじめ用意されたフィールドタイプ(データ型)の中から目的のものを選んでドラッグ・アンド・ドロップすればよい。あるデータソース(Bentoでは「コレクション」と呼ぶ)と別のデータソースを関連付けたい場合も、一方を他方にドラッグ・アンド・ドロップするだけ。これで、両者にリレーションを設定できる。背景色やフォントなどのデザインも、ワンクリックで切り替えられる。

 用途は、パーティーへの出席者や出欠の管理、在庫目録や商品カタログの作成、あるイベントで撮影した写真の管理などさまざま。有機栽培で使う種の情報収集や、飼育するヤギの管理などで使われている例もあるという。

 同社の調査によれば、データベースの重要性を認めているユーザーは90%にのぼる。データベースの活用を検討した経験があるユーザーも75%存在するが、そのうちの2/3は製品の複雑さから実際に利用するには至らなかったと回答したという。Bentoは、まさにこの層を狙った製品。ファイルメーカー日本法人の宮本高誠社長も「非能率的だと分かっていながら、何でもかんでも表計算ソフトでやろうとする状況がまま見受けられる。しかし、表計算ソフトとデータベースでは得意な部分が異なる」と述べ、データベースの活用によって能率が向上することをアピール。「Macユーザーが最初に持つべきソフトの一本であることを訴えていきたい」と強い意気込みも見せた。

 ネックになるのは、対象OSがMac OS X Leopardのみであること。BentoはLeopardの新機能をフルに活用して開発されているため、WindowsはおろかLeopardより前のMac OS Xでも利用できない。その理由については「米アップルの商業的な成功や、Leopardが搭載する先進機能を評価した。またFileMakerのブランドはMacintosh市場において特に強く、この市場ならBentoのように新しいカテゴリーの製品でも成功できるだろうと考えた」(グピール社長)と説明した。

 販売は、全国のアップルストアや量販店の店頭、ファイルメーカーやアップルのWebサイトなど「全方位で行う」(宮本社長)。店頭デモやハンズオンセミナーなども実施し、Bentoを実際にユーザーが目にできる機会も設けていく予定だ。