写真 NTTドコモが提供した携帯電話機型端末の試作機
写真 NTTドコモが提供した携帯電話機型端末の試作機
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 携帯端末向けマルチメディア放送サービスの事業化を目指し,マルチメディア放送企画LLC合同会社(MMBP)が2008年3月5日に,「ISDB-Tmm」方式を利用した実験を開始した。出力10Wの実験電波を東京タワーから発射し,実際のフィールドにおける受信実験を2009年12月まで行う計画である。今回のフィールド実験を通じてMMBPは,事業化に必要な要素技術やサービスモデルの検証を行い,本放送免許の取得に向けたノウハウを蓄積する意向だ。

 今回の実験ではVHF帯ハイバンドの第11チャンネル(6MHz幅)を使って,ダウンロード型とストリーム型を組み合わせたサービスを提供する。具体的には第11チャンネルの帯域を,ストリーム型とダウンロード型のサービスで使い分ける。6MHz幅を13のセグメントに分け,ストリーム型サービスでは一つのコンテンツに1セグメントを使い,ニュースやスポーツ,株価情報などリアルタイム性が高い7分野のコンテンツを配信する(写真)。

 ストリーム型サービスで使わないセグメントは,ダウンロード型サービスで利用する。今回の実験で用意したコンテンツは約70本で,端末に搭載されたナビゲーション機能を使って,ジャンル別・コンテンツ別に検索することができる。このほかダウンロード型サービスでは,電子書籍や電子雑誌,ニッポン放送のアナウンサーによる読み上げ小説などのコンテンツも提供する。