東北電力の通信子会社,東北インテリジェント通信は2008年3月3日,2.5GHz帯固定系地域バンドの免許を総務省東北総合通信局に申請したと発表した。モバイルWiMAXを利用した高速インターネット接続サービスを2008年10~12月に提供する計画である。

 提供の目的はデジタルデバイドの解消。高速ブロードバンドの未提供地域となっている秋田市雄和向けにサービスを提供する。同社は東北総合通信局の委託を受け,2007年2月末から同地域でモバイルWiMAXの実証実験を行っていた。この実験を通じてデジタルデバイドの解消に有効と判断したため,地元関係者の協力を得て商用化に踏み切ることにした。現時点では「上記以外のエリアで提供する予定はないが,ニーズがあれば積極的に検討していく」という。

 モバイルWiMAXの基地局はアライドテレシスから調達し,秋田市雄和芝野新田に1局設置する予定。周波数は2582M~2592MHzの10MHzを利用する。通信速度は上り下り合計で最大15Mビット/秒。料金は未定。「モバイルWiMAXは無線版ADSLとよく言われるが,ADSLと同じ料金はとても無理。行政の支援を得ることで,FTTH並みの料金を実現したい」(東北インテリジェント通信)としている。

 2.5GHz帯固定系地域バンドとは,全国バンドの免許を受けたUQコミュニケーションズ(関連記事)とウィルコムに挟まれた帯域のこと(関連記事)。両社の帯域との間にガードバンドを挟み,2575M~2595MHzのうちの10MHz幅を利用できる。デジタルデバイドの解消や地域公共サービスとしての利用を想定しており,総務省は3月3日から免許の受け付けを開始した。

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