写真1●BEADSのシステム構成
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写真2●BEADSの「リアルマルチディスプレイ表示機能」を使用した例
写真2●BEADSの「リアルマルチディスプレイ表示機能」を使用した例
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 ソニーは2008年3月3日,デジタル・サイネージのサービス基盤「BEADS」(Bilateral Electrical Advertisement Distribution System:ビーズ)を発表した。インターネットを介して,街角や公共施設,商業施設などに設置したディスプレイに広告・告知映像などのコンテンツを配信できる。2008年度の上半期には,BEADSを使ったデジタル・サイネージのマネージド・サービスを開始する予定である。

 BEADSは,インターネット経由で最大1万台のディスプレイにコンテンツを配信できるサービス基盤である(写真1)。複数のディスプレイのそれぞれに,異なるコンテンツを編成して流すことも可能。また,並置した複数のディスプレイに単一の高精細なコンテンツを表示したり(写真2),複数のディスプレイで再生タイミングを同期させる機能も持つ。このほか,ディスプレイの電源が入っているかどうかの確認や,コンテンツの再生状況を遠隔から監視し,配信ログを作成する機能も備える。配信するコンテンツは暗号化のほか,クライアント認証,改ざん検出,暗号鍵の漏えい防止といったセキュリティ機能で保護する。

 マネージド・サービスを利用するには,デジタル・サイネージ用のディスプレイと複数のディスプレイに異なるコンテンツを送り出すといった役割を果たす「ディスプレイコントローラ」などをユーザー企業が購入。その導入コンサルティングと導入作業,コンテンツ制作,システム運用と保守監視は,ソニーブロードバンドソリューションが担当する。サービスの営業窓口も同社になる。

 サービス利用料金の目安は,同じ建物の中に40インチのディスプレイを100台設置する場合で,初期費用が6500万円程度になる見込み。ディスプレイ100台,ディスプレイコントローラ,大元のサーバーからコンテンツを受け取って蓄積し,ローカルに配信する「エッジサーバー」,および取り付け機材の代金を含む。コンサルティング費用や工事費用も上記価格に入る。月額利用料は未定で,サービス開始に合わせて発表する。

 なおBEADSは,伊勢丹新宿店前の地下通路で今春から運用が開始される予定だという。52インチ27台,17インチ32台のディスプレイを設置し,BEADSで店舗情報などを配信する計画だ。

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