HACS
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 エーピーシー・ジャパンは,データセンターを効率よく冷却するための製品として,サーバー・ラックから出る排熱を閉じ込めるパネル「HACS」(Hot Aisle Containment System,写真)を,2008年3月3日に販売開始した。複数のラックを覆う上面と両サイドの3方向のパネルで構成する。価格は,7ラック×2列用のパネルで100万円程度という。

 HACSは,データセンターにおいてラックからの排熱が溜まる部分である“ホット・アイル”を密閉し,ホット・アイル以外の場所に熱が伝播することを防ぐ。別途,同社の「InfraStruXure InRow」など,ラック型の冷却装置と組み合わせて利用する。排熱をホット・アイルに閉じ込め,局所的に冷却するため,データセンター内の空調効率を高められる。

 ホット・アイルは,隣り合わせた2つのラック列の間に生じる。ラックに収容するサーバー機などの機器は,一般にラックの正面から水平方向に吸気して,反対側(裏面)から排気する。複数のラックを1列に並べたラック列で見ても,正面が吸気面,裏面が排気面となっている。

 ある1列のラックの排気面と,その隣にある1列のラックの排気面を向かい合わせると,ラックとラックの間には,両サイドのラックが排気した高温の空気が漂う空間となる。これを“ホット・アイル”と呼ぶ。最近はサーバー類の設置密度が高まっており,機器の排熱をデータセンター全体で冷却するより,局所的に冷却したほうが機器の熱を効率的に取り除ける。