米eBayは米国時間2008年2月28日,特許侵害に関する訴訟で米MercExchangeと和解に合意したと発表した。eBayは対象となる3件の特許をMercExchangeから買い取り,両社はすべての訴えを取り下げる。

 この係争は,オンラインのオークションおよび価格固定販売において,MercExchangeの特許をeBayが侵害しているとして,MercExchangeが2001年9月に訴訟を起こしたことに端を発する。

 2003年に連邦地方裁判所はeBayによるMercExchange特許の侵害を認め,2950万ドルの損害賠償支払いを命じたが,永久差し止め命令は出さなかった。しかし2005年に,控訴裁は特許侵害の確認と賠償金支払い命令に加え,永久差し止め命令請求も承認した。これを受けeBayは,控訴裁が適用した差し止め命令の規定は不適当として最高裁に上告。2006年5月に最高裁がeBayの主張を認める判断を下し,訴訟は地裁に差し戻された(関連記事:米eBayと米MercExchangeの特許侵害訴訟,米最高裁が差し止め命令判決を差し戻し)。

 今回合意した和解条件のもと,eBayは3件の特許のほか,関連する技術や発明も取得する。また,訴訟対象ではない検索関連特許のライセンス供与を受ける契約も結んだ。

 eBayは金額などの条件について明らかにしていないが,「1月23日に発表した2007年決算および2008年業績見通し(関連記事:eBay,CEOのWhitman氏が3月末で退任へ,Q4決算は大幅な増収増益)には影響しない」としている。

 eBay上級副社長兼法務顧問のMike Jacobson氏は,「今回の和解で,訴訟が解決しただけでなく,当社のマーケットプレイスを向上し,安全性を強化するのに役立つ新たな知的資産を利用できるようになった」と述べた。

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