発売イベントで講演する米MicrosoftのCEO,Steve Ballmer氏
発売イベントで講演する米MicrosoftのCEO,Steve Ballmer氏
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 「普及率がまだ5%に満たない仮想化技術を“民主化”する」「SQL Serverは“アンブレイカブル”をうたうOracleよりもセキュリティ修正が少ない」「データウエアハウス用途でTeradataを追い越すという目標を達成した」--米MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏は2月27日(米国時間),ロサンゼルスで開催したWindows Server 2008とVisual Studio 2008,SQL Server 2008の発売イベントで,競合への対抗意識をあらわにした。

 サーバーOSの新バージョンである「Windows Server 2008」と開発ツールの「Visual Studio 2008」は,既に出荷を開始している製品。データベース管理システムである「SQL Server 2008」は,2008年下期に出荷する予定。これら3製品が,今後の新しい企業システム基盤になるということから,3製品合わせての「発売イベント(ローンチ・イベント)」を,2月27日にロサンゼルスで開催した。

 同社CEOのBallmer氏は講演で,「Windows Server 2008とVisual Studio 2008,SQL Server 2008によって,システムの複雑さが解消され,ビジネスの迅速な変化にも柔軟に対応できる『ダイナミックIT』が実現する」と強調。「これらの3製品は,企業にいる開発者やITプロフェッショナルを『ヒーロー』に変える製品だ」と力説した。

 Windows Server 2008の目玉機能は,サーバー標準の仮想化機能である「Hyper-V」だ。Ballmer氏は「現時点で,サーバー仮想化に取り組んでいるユーザー企業は,全体の10%に過ぎない。新規に導入されるサーバー・ハードウエアに仮想化技術が搭載されている率に至っては5%である。このような初期段階にある仮想化だが,OSに標準搭載されるHyper-Vであれば,誰もが仮想化技術の恩恵を受けられるようになる。われわれは,限られた人にしかもたらされていない仮想化技術を,Hyper-Vによって『民主化』する」と語った。

セキュリティ修正が不要のSQL Server

 Ballmer氏はデータベース管理ステムSQL Server 2008に関しても,競合を強く意識した発言を行った。まずBallmer氏は,現行のSQL Server 2005においてここ2年以上,セキュリティ修正が発生していないことを強調。SQL Serverが信頼でき,セキュアなデータベース・サーバーになったことをアピールした。その上で「『アンブレイカブル(壊れない)』をうたう競合製品(Oracle)よりも,SQL Serverの方が脆弱性が少ない」(Ballmer氏)と競合をけん制した。

 またSQL Server 2008では,ビジネス・インテリジェンス(BI)機能のパフォーマンスが強化されていることを強調した。BI分野で強い競合といえば,米Wal-Martが大口ユーザーであることで知られる米Teradataが存在する。

 実は,Microsoftの現COOであるKevin Turner氏の前職は,Wal-MartのCIOであり,Turner氏自身が大のTeradataびいきであった。これを踏まえてBallmer氏は「Kevin(Turner氏)がMicrosoftのデータウエアハウスを構築する上で,『Teradataはどうか?』と提案したことがある。これを聞いて,わが社の開発陣は恐怖に駆られるとともに大いに奮起し『Teradataよりも優れていたら使ってやる』というKevin(Turner氏)のリクエストにようやく答えた」と,SQL Server 2008が,データウエアハウス用途でTeradataに匹敵するパフォーマンスを実現したのだとアピールした。

 Ballmer氏は今回の講演で,2008年におけるWindows Serverのロードマップも披露している。2008年内に,ハイ・パフォーマンス・コンピューティング向けのクラスタ製品「Windows HPC Server 2008」のほか,小企業(50ユーザー以下)向けの「Windows Small Business Server 2008」,中企業(25~300ユーザー)向けの「Windows Essential Business Server 2008」などもリリースすることを明らかにしている。