レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏
レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏
[画像のクリックで拡大表示]

 レッドハットは2008年2月28日,SOA(サービス指向アーキテクチャ)ミドルウエア「JBoss Enterprise SOA Platform」を発売した。2008年3月上旬より出荷する。

 またレッドハット日本法人のJBoss担当チームを10人から20人に倍増し事業推進本部に拡大し,JBoss事業を本格化する。レッドハットでは「JBoss製品を昨年1年間で50社に導入したが,今後1年で500社に導入したい」(レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏)としている。

 「JBoss Enterprise SOA Platform」はSOAコンポーネントを連携させる「JBoss ESB」,ビジネスプロセスとワークフローを定義し実行する「JBoss jBPM」,ビジネスルールの定義と管理を行う「JBoss Rules」とアプリケーション・サーバー「JBoss Enterprise Application Platform」からなる。

 廣川氏は2008年2月1日付けでレッドハット社長に就任したばかり。前職はSOAプラットフォームの有力ベンダーでもある日本BEAシステムズ 代表取締役である。廣川氏は「これまでSOAの導入が進んでこなかった最大の理由は,投資額,製品価格があまりに高額だったため。JBoss Enterprise SOA Platformなら従来の10分の1の費用で,小さく始められる」と主張する。JBoss Enterprise SOA Platformの年間サブスクリプション(利用権,サポートを含んだ価格)は210万6000円である。

 すでに海外ではJBoss Enterprise SOA Platformによるシステム構築事例が出ている。スウェーデン鉄道では,余ったチケットの情報を自動的にオークション・サイトに転送して,オークションにかけられるシステムを構築しているという。

 アプリケーション・サーバー「JBoss Enterprise Application Platform」は,すでに月間1500万アクセスがあるセブンドリームドットコムや,大阪の証券会社のオンライントレードシステムなど,日本でもミッションクリティカルな分野での実績があるという。「フリー版もあわせれば,JBossは日本でもおそらくすでに1000件以上の採用実績がある。ワールドワイドでは2015年までに稼働実績ベースで50%のシェアを目標に掲げており,実現させたい」と話した。