国立情報学研究所(NII)とヤフーは2008年2月28日、NIIが事務局を務める「情報爆発時代に向けた新しいIT基盤技術の研究」(情報爆発プロジェクト)において、「Yahoo!検索」で実際に入力された検索語データを利用することについて合意したと発表した。情報爆発プロジェクトは、文部科学省科研費による特定領域研究で、大学などからさまざまな研究者が参加している。ヤフーが持つ大量の検索データが利用可能になることで、検索語の特徴分析などが進むことが期待される。

 提供されるデータは、「Yahoo!検索」で入力された語のうち、検索されることの多かった上位1万件の検索語と検索回数。情報爆発プロジェクトに参加する研究者に、NIIを通じて2008年4月1日から提供する。

 インターネットユーザーが実際に検索エンジンに入力している語のデータは、ポータルサイトなど検索サービスを提供する企業が保有している。ただ通常は、各社のビジネス戦略上、非公開にされている。このため、大量の“生きた”検索語データを研究に使うことは、ほぼ不可能だったという。

 今回の発表の詳細は、2008年3月3日から東京で開催される、情報爆発プロジェクトの平成19年度成果報告会の中でも発表される。