欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間2008年2月27日,米Microsoftに対して欧州競争法(独占禁止法)違反の是正措置に従わなかったとして8億9900万ユーロ(約13億5000万ドル)の支払いを命じた。

 米メディアの報道(New York Times)によると,一社に対する制裁金としては過去最大の金額である。

 ECは2004年3月に,Microsoftが欧州競争法に違反したと判断し,他社への情報開示や4億9720万ユーロの罰金支払いを含む是正措置を決定した(関連記事:ECが対米Microsoftの制裁措置を正式発表,罰金4億9720万ユーロ)。しかし2006年7月,情報開示に関する同社の是正条件履行が不十分とみなし,2億8050万ユーロの制裁金支払いを命じた(関連記事:欧州委員会がMicrosoft独禁法違反で3億5600万ドルの制裁金を決定,Microsoftは提訴へ)。同社はこれを不服として控訴したが(関連記事:米Microsoft,EUの制裁金に対し控訴),2007年10月にECの是正命令に完全遵守することで合意し,訴えを取り下げた(関連記事:Microsoft,競争法違反に関する欧州での申し立てを正式に取り下げ)。

 今回の支払い命令は,ECが2006年7月に科した制裁金の対象期間以降から2007年10月の合意に至るまで(2006年6月21日~2007年10月21日)の是正措置不履行に対する課徴金。過去の罰金などと合わせると,ECがMicrosoftに支払いを命じた金額は合計約16億8000万ユーロにのぼる。

 EC欧州競争委員のNeelie Kroes氏によると,50年にわたるEU競争政策において,競争法違反の決定を遵守していないとして制裁金を科された企業はMicrosoftが初めてだという。

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