米Microsoftが国際標準化を推進しているファイル・フォーマット仕様「Office Open XML(OOXML)」について,ISO(国際標準化機構)による投票会議を目前に,米Googleは2008年2月25日付けの公式ブログで改めて,同仕様に対する異議を表明した。

 Googleのオープンソース・プログラム担当マネージャであるZaheda Bhorat氏はブログへの投稿記事で,「昨年9月以降,OOXMLについて新たに開示されたデータなどをもとに技術的分析を進めたが,当社はOOXMLが不十分かつ不要な標準であり,Microsoft Officeのニーズに応えるためだけに設計されたものだと確信している」と述べている。

 Googleは,オフィス・アプリケーション用ファイル形式の推進団体ODF Allianceや業界専門家などとともに,「OOXMLは世界的に採用される標準としての基本要求を満たしていない」という見解を示し,同仕様の問題点を指摘した分析データなどをODF AllianceのWebサイトで公開している。

 OOXMLは,国際的な標準化組織Ecma Internationalから2006年12月にEcma標準(Ecma standard)「Ecma-376」として承認され(関連記事:標準化組織Ecma,オフィス・アプリ向けファイル形式「Office Open XML」を承認),2007年4月にISOの国際標準化に向けたプロセスが始まった(関連記事:Microsoftのファイル形式「Office Open XML」,国際標準化の投票段階へ)。国際標準として承認するかどうかを決める投票が同年9月2日に締め切られたが,賛成票が承認の基準に達しなかったため,ISO標準としての採用決定は見送られた。最終投票は2008年2月末に行われる予定(関連記事:MicrosoftのOpen XML仕様,ISOの投票で承認
得られず採用見送り
)。

[Bhorat氏のブログ投稿記事]