オンライン広告の業界団体Internet Advertising Bureau(IAB)は米国時間2008年2月24日,インタラクティブ広告におけるプライバシ保護のガイドラインを発表した。同ガイドラインはIABの役員会が同日承認したもので,2月中に米連邦取引委員会(FTC)へ提出する。IAB社長兼CEOのRandall Rothenberg氏によると,「FTCが昨年発表した提案よりフレキシブルな内容となっている」。

 IABのガイドラインは,インタラクティブ広告での個人情報使用に対するユーザー自身の管理を確保すると同時に,関連マーケティングの展開における継続した向上を保証することを目指している。Rothenberg氏は,「消費者と企業の関係は信頼の上に成り立っており,IABは消費者の情報およびプライバシ保護に長い間取り組んできた。その経験から,消費者への通知および選択肢に関するFTCの提案は厳格すぎるように思える」と説明した。

 FTCが昨年12月20日に発表したオンライン広告に関するプライバシ保護の原則案では,行動ターゲティング広告を目的としたデータ収集を行う企業は,個人情報の取得について明快な声明を提示し,消費者が自身の情報を提供するかどうか選択できる手段を提供するよう求めている。また,企業は消費者から同意を得ない限り,行動ターゲティング広告向けに個人情報を収集しないことを要求するものだった。

 今回IABが発表したガイドラインでは,「インタラクティブ広告向けに個人情報を収集および使用する企業は,その目的について,消費者にとって分かりやすい方法で有意義な通知を行い,プライバシ・ポリシーを簡単に閲覧できるようリンクを提供するべきである」と記載している。消費者への選択肢提供,情報セキュリティ・プラクティスの導入,苦情の申請方法やそれに対する措置については「適切な手段で」行うよう指導している。

 米メディア(CNET News.com)はIABのガイドラインが「FTC案よりも弱く,明白さに欠ける」ため,プライバシ保護団体などが反論の意を示していると報じている。

[発表資料へ]