富士通ビー・エス・シー(富士通BSC)は,送信メールに添付したファイルをメール・サーバー上で自動的に暗号化して相手に送るセキュリティ・ソフト「FENCE-Mail For Gateway」を,2008年2月29日に販売開始する。価格は,100メール・アドレスまでの最小構成時に50万円など。販売目標は販売開始後1年間で100社。

 FENCE-Mail For Gatewayは,送信メールの添付ファイルを暗号化するメール・サーバー・ソフト。社内のメール・サーバーが受けた送信メールを同サーバーにフォワード中継するなど,メールの中継経路に配置して運用する。これにより,ネットワーク上で第三者に情報が漏えいすることを防ぐ。

 添付ファイルのアーカイブ/暗号化方式は2種類を用意した。1つは,富士通グループが開発したファイル形式。暗号化アルゴリズムにAESを用い,EXE形式(実行形式)の自己復号型の暗号化済みアーカイブ・ファイルを生成する。富士通BSCによれば「既知のファイル形式ではなく自社方式のファイル形式であるため,攻撃に対して強い」という。もう1つはZIPである。いずれにせよ,メールを受け取ったユーザーは,特別なソフトを用いることなく,暗号化パスワードを知っているだけで,添付ファイルを入手できる。

 パスワードの通知方法は,対象となる暗号化メールとは別のメールに,パスワードを記述して送信するというもの。パスワードの生成方法は3つある。(1)事前に登録した固定フレーズを用いる「固定パスワード」,(2)毎回ランダムなフレーズを生成する「ランダム・パスワード」,(3)一定時間間隔でランダムにパスワードを変更する「時間単位パスワード」である。なお,送信者と受信者のメール・アドレスの組み合わせにより,暗号化のルールを使い分けられる。

 稼働OSは,Red Hat Enterprise Linux ES。