航空会社を中心とする国際航空情報通信機構(SITA)は米国時間2008年2月20日,米国土安全保障省(DHS)がSITAの「Advanced Passenger Information System Quick Query(APIS AQQ)」サービスのテストを完了したと発表した。SITAは,搭乗客がチェックインする際に情報を伝送するシステム。SITAはDHSから認可を受ける最初のITプロバイダになるという。

 AQQサービスは,搭乗客がチェックインする際にパスポートや渡航文書の情報を米国の税関・国境警備局(CBP)に伝送するシステム。CBPは,この情報を政府が保有するテロリストのブラック・リストと照らし合わせ,搭乗券発行の許可または禁止を航空会社に知らせる。

 CBPは,2008年2月19日より米国発着または米国の領空を飛ぶ航空機に対し,離陸30分前までに乗客および乗務員の情報(パスポートや渡航文書など)を提出するように義務付けている。

 航空会社がAQQサービスを導入した場合,搭乗客がチェックインするごとにパスポートや渡航文書の情報がCBPに転送されるため,離陸30分前までに乗客と乗務員の情報をまとめて提出する必要がなくなる。また,乗客情報とテロリストのブラックリストの照合検査をCBPに任せることができる。

 米メディアのCNET(CNET News.com)によると,搭乗券の発行に関する指示は,搭乗客のデータ伝送してから2秒以内に送られるという。また,このシステムは,キオスク,電話,インターネットによるチェックインにも対応するという。

発表資料へ