インテル,クイックサン,ドリームボート,フェイスの4社は2008年2月21日,デジタル・コンテンツ配信の新しいソリューションを共同で開発することに合意したと発表した(発表資料)。携帯電話機,パソコン,デジタル家電,モバイル機器など利用する端末にとらわれず,ユーザーがデジタル・コンテンツをより簡単で便利に楽しめる仕組みの提供を目指す。

 今回4社が開発を進める新しい配信ソリューションでは,初めにユーザーは携帯電話機でデジタル・コンテンツの視聴権利情報を購入する。ユーザーは,その権利情報をFeliCaチップの近距離通信機能や赤外線通信などを用いてインターネットに接続された地上デジタルテレビ放送対応パソコンに転送し,大画面で視聴することを可能とする。同時に権利未購入のデジタル・コンテンツも含め,一覧表示することも可能にする。FeliCaの小額決済機能を利用することによって容易にコンテンツの権利を購入できる

 4社のうちクイックサンは,地上デジタル放送とインターネットを1つのブラウザで閲覧できるシステム「ROBRO」を開発している(2007年11月のROBRO開発完成などに関する発表資料)。ドリームボートはP2P(ピアツーピア)技術に基づくセキュアなコンテンツ配信技術「SkeedCast」(詳しい内容はこちら)の開発を進めており,高画質映像の高速配信およびストリーミング再生を可能とする。フェイスは,コンテンツの視聴権利技術「Near Field Right Management」(詳しい内容はこちら)によるコンテンツ視聴のポータビリティ性の向上やコンテンツの視聴権利情報管理,課金を可能とする。これらコンテンツ配信に関わる新しい技術はいずれもインテル・アーキテクチャをベースとするパソコンを最初のターゲットとして開発されており,各社の技術を組み合わせにより,ユーザーがより簡単で便利にデジタル・コンテンツを楽しめる環境を低コストで実現するという。

 4 社は,今後とも技術連携を強化し,幅広いデジタル機器を活用し,融合させることでコンテンツの次世代配信プラットフォームを提供していく計画。