 写真1●InterSafe CATSの管理画面 [画像のクリックで拡大表示] |
アルプス システム インテグレーション（ALSI）は2008年2月19日，クライアントPCのWebアクセスを制限する企業向けソフトウエア「InterSafe CATS」の販売を開始した。外出先や出張先に持ち出したPCであっても，社内ポリシーに沿ってWebアクセスやファイル共有ソフトの利用を制限し，情報漏洩を防ぐ。また同日，ゲートウエイ型のWebフィルタリング・ソフトの新版「InterSafe Ver6.0」の販売も開始した。
InterSafe CATSは，エージェントをPC上に常駐させ，Webアクセスに加え，特定アプリケーションの通信を制御する（写真1）。アクセスを制限するWebサイトのカテゴリ・リストや使用を禁止するファイルのリストは，定期的にインターネット経由で，ALSIが運用するInterSafe CATSサーバーからダウンロードする仕組みである。
InterSafe CATSサーバーは，ASP方式でALSIが貸し出す。企業のシステム管理者は，ALSIのInterSafe CATSサーバーにアカウントを作り，自社のPC向けのポリシーを設定する。事前にエージェントをインストールしていないPCに対して，InterSafe CATSサーバーからActive Xを使ってオンデマンドでエージェントを配信する機能も提供する。
Webアクセスは，（1）IPアドレスによるアクセスの規制，（2）User-Agentによる利用ブラウザの規制，（3）Webサイトへの書き込み時のデータ・サイズによる規制，（4）アクセス先URLのカテゴリによる規制，（5）HTTPリクエストの文字列による規制，（6）HTTPリクエストのファイル拡張子による規制，が可能である。
ゲートウエイ型は内部統制支援機能を強化
ゲートウエイ型Webフィルタリング・ソフトの新版「InterSafe Ver6.0」の機能強化は，主に3点だ。企業の内部統制を支援する機能の強化，情報漏洩対策機能強化，管理機能の強化である。
 写真2●InterSafe Ver6.0のAccess Management View機能の画面 [画像のクリックで拡大表示] |
内部統制を強化する企業向けに，Webフィルタリングが企業のポリシーに合致しているかどうかをチェックする「Access Management View」を新たに搭載した。企業のコンプライアンス担当者やセキュリティ担当者向けに提供する機能で，どのようなフィルタリング・ルールを設定しているかを一覧表示し，簡単に確認できるようにした（写真2）。
フィルタリング・ルールを部門ごとに設けたグループ管理者が変更することが可能だが，その際に変更履歴をシステム管理者にメールする機能も新たに搭載。従業員が特定のWebサイトへのアクセスを許可してもらいたい場合に，その申請をグループ管理者が処理するためのワークフロー機能も備える。
また，Webサイトへの添付ファイルの送信や，HTTPS通信の制御を可能にし，情報漏洩対策機能を強化した。これまでWebアクセス制御のためのカテゴリ分けで「掲示板」に含まれていた，SNS（ソーシャル・ネットワーキング・サービス）やブログを独立させ，新たなカテゴリと定義。より細かく設定できるようにした。
管理機能の強化点としては，同梱するログ分析ツール「LogLyzer ver6.0」の検索機能がある。Webアクセスのログから，日時やユーザー，書き込み規制気ワードなど，複合の条件で検索できるようにした。
フィルタリング実施企業の半数は「mixi」を制限
ALSI セキュリティソリューション部の杉本浩信部長は，「これまで啓蒙活動に注力してきた。学校でインターネット利用教室を開催したり，Webコンテンツや冊子を通じてフィルタングについて情報を発信してきた」と，これまでのALSIの活動を総括する。しかし，広く社会に情報を伝え切れていないという。「子供たちのネット利用が活発化。携帯電話はインターネット犯罪の入り口になっている。さらなる問題認識とリテラシ向上が必要だ」。
また企業についても，「インターネット利用と持ち出しPCのリスク管理が、これまで以上に重要になってきた」と杉本部長はみる。ALSIの関連会社であるネットスターの調査では，掲示板やSNSを介した情報流出を懸念する企業が増えており，フィルタリング実施企業の76.6％が「2ちゃんねる」を，55.2％が「mixi」を，利用制限の対象にしているという。「従業員のスキルやモラルに頼るのではなく，具体的な対策が必要だ」と杉本部長は指摘する。
価格は，InterSafe CATSが5ユーザーで年間3万円から。InterSafe Ver6.0は25ユーザーで，年間19万8000円から。
